今日卓球の東京五輪代表発表!注目の団体戦3人目は水谷隼と平野美宇で順当に“無風決着”か? それとも……
一方、男子の選考は悩ましい。最有力は世界ランキング16位で日本人3番手の水谷隼(木下グループ)だが、女子と同じでエースの張本を2試合起用する場合、丹羽と水谷のダブルスは左利き同士となり、右利きと左利きのペアが理想とされる卓球では難しいペアリングと言わざるを得ない。実際、二人は昨年6月のワールドツアー・香港オープンで1度だけペアを組んでいるが、終始プレーが噛み合わず予選1回戦で敗退した。 また、近年の水谷は目や腰に不調を訴えておりコンディションの面に不安が拭えない。 しかし2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロと3大会連続で五輪に出場し、リオ大会では団体銀メダル、個人銅メダルに輝いたベテラン水谷の経験は、五輪初出場でエースの重責を担う張本のプレッシャーを考慮した時、プラス材料と言える。 そして、もうひとつ水谷のメリットは、チーム世界ランキングへ与える影響だ。代表メンバー3人の世界ランキングをもとに算出されるチーム世界ランキングは団体戦の組み合わせに影響することから個人のランキングが高い選手の代表入りが望ましい。 チーム世界ランキング1位は世界最強の中国で揺るぎないが、日本はこれに次ぐ2位を確保したい。そうすれば決勝まで中国と当たらないシード権を手に入れることができる。ちなみに日本のライバルはリオ五輪銅メダルのドイツと2018年世界選手権銅メダルの韓国。2位争いは東京五輪が開幕する7月まで続く。 水谷以外の選手が選ばれる可能性はどうか。水谷に次ぐ日本人4番手の森薗政崇(FPC)は世界ランキング42位、5番手の神巧也(T.T彩たま)は同44位、そして昨年9月のアジア選手権や11月のワールドカップ団体戦で代表入りした6番手の吉村真晴(名古屋ダイハツ)も同50位と、水谷から大きく水をあけられている。 吉村は強豪ドイツのティモ・ボル(世界ランキング10位)をワールドカップ団体戦で下すなど、大舞台での爆発力に定評があるが、チーム世界ランキングを考えるとやはり物足りない。 もうひとつ水谷には伊藤と混合ダブルスを組めるというアドバンテージもある。混合ダブルスは代表に内定した男女各3人の中から最高のペアと思われる1組を強化本部が決定する仕組みで、昨年12月のワールドツアー・グランドファイナルで銀メダルに輝いた水谷/伊藤ペアは東京五輪で金メダルが狙えると期待されている。悲願の五輪金メダル獲得を目指す日本としては出場させたいペアだ。 東京五輪の代表は順当に決まるのか、それともあっと驚くサプライズがあるのか。運命の瞬間が近づいている。 (文責・高樹ミナ/スポーツライター)