「遠藤はもう終わり」と周囲の声も…十両で8戦全勝の原動力を元大関・琴風が分析
◆大相撲 ▽夏場所8日目(19日、東京・両国国技館) 能登の風が、遠藤の背中を押している。幕内の常連が十両で8戦全勝。決して圧倒的な強さで勝ち越しを決めたわけではない。時疾風との一番も土俵際の逆転技で白星を拾った。 先場所は幕内で5勝10敗。残り腰がなく粘りが影を潜めた印象を受けた。周囲からは「遠藤はもう終わり」との声も漏れた。私も「引退は近い」と思った。他の十両力士と力の差はないが、復活した粘りが全勝の原動力になっている。 力士の役目は故郷に恩返しをすること。能登半島地震で被災した石川県出身の遠藤の8連勝は地元に勇気を与えている。能登からの熱い声援も遠藤を奮い立たせている。能登の風は同じ石川県出身の大の里の背中も押している。被災地に勇気を与える石川県出身力士の十両と幕内の同時Vも決して夢物語ではない。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
報知新聞社