最速144キロのニューヒーロー候補、沖学園の「隠し玉」2年生右腕が決勝進出 救援で6回1失点【高校野球福岡地区大会】
◆高校野球福岡地区大会準決勝 沖学園4―3福岡大若葉(11日、春日公園野球場) 沖学園の2年生右腕、川畑秀輔が6イニングのロングリリーフで1失点と力投しリードを守った。1点を追う4回から登板した川畑は140キロを超える直球を軸に7回までわずか1安打に抑えた。8回に味方の守備の乱れから1点を失ったが、9回も2死から安打で走者を出したが最後は内野ゴロに仕留めた。直球は自己最速の144キロをマーク。「今日は力が入りすぎました」と6四死球、2暴投と制球が定まらず反省顔だが、球速は最終回に143キロを計測。被安打3、7奪三振の力投で味方の逆転を呼んだ。 ■【春季九州大会組み合わせと結果】 「本当は準決勝で投げさせたくなかったんです」と鬼塚佳幸監督がベンチに温めておきたかった「隠し玉」だ。この大会までほとんど公式戦の経験はない。昨秋はベンチ入りして1試合に救援登板したが、その後の練習試合で右膝に打球が直撃し、今年に入り症状が悪化。右膝の皿を痛めていたことがわかり1月に手術を受けた。春の大会はベンチに入らずこの大会で復帰したが、春の大会後の練習試合で登板経験を積んだ。「まだ2年生。来年は150キロに到達してほしい」と鬼塚監督が期待する成長株だ。 170センチ、65キロと決して大きくはないが140キロを越える速球を投げ込む2年生右腕は「いつか球速150キロを出したい。勝てる投手になりたいです」と目標を挙げた。その表情はこの夏のニューヒーロー誕生の予感を漂わせている。 (前田泰子)
西日本新聞社