新指標でみる救援投手の実力
■ワーストは巨人の鉄腕、楽天の守護神にも不安が 次にワースト部門もみてみたい。表2は両リーグ救援投手QR率の下位15人である。目立つのはDeNA勢。とくに勝ちパターンの継投を担うソーサ、三上の名前があるのは不安なところ。今のところ大きな破綻はきたしていないが、その兆候はあるといえそうだ。そして注目は楽天・ファルケンボーグと巨人の山口。ファルケンボーグは昨シーズンのQR率が56.8%で両リーグトップの数字だったが、今シーズンは半分以下の23.1%。ここまで7セーブと一応の結果はでているが内容的には疑問符がつきそうだ。最下位となってしまったには巨人の山口。2008年以降、39.6→38.2→39.6→40.5→45.6と例年高いQR率を記録していたのだが、昨シーズンは35.3%、そして今シーズンはQRわすか1回で7.1%と下落傾向。以前のような支配的な投球内容ができず、常に走者を背負う苦しい投球になっている。
最後に2004年以降の10シーズンのQR率トップ10をご紹介する(表3)。1位、もっとも安心感のある投球を1年間続けた投手は2012年の岡島だった。QR率は驚異の66.7%、3登板に2度は走者を許さなかったのである。この年の岡島はなんと8月末まで防御率0.00を維持するという空前の活躍だったのだが、内容も抜群であったことが証明されたのではないだろうか。ちなみに昨年MLBで完ぺきな1年を送ったレッドソックス上原のQR率も66.7%だった。このレベルの数字を残せば圧倒的な印象を残せるといえそうだ。 (文中の成績は5月31日現在) (株)日刊編集センター