コープさっぽろ「スクールランチ」 北海道内3町村で採用 注目高く引き合い多数
コープさっぽろが、学校に給食を届ける「スクールランチ」事業を推進し、財政難に悩む自治体の注目を集めている。日高管内様似町など道内3町村が採用しているほか、10以上の自治体からの引き合いがある。コープにとっては地元密着の取り組みを強化でき、食品工場の稼働率向上にもつながるため、導入例を順次増やす方針。来年度の新規受注も視野に入れる。 【動画】美瑛「青い池」幻想的に 冬のライトアップ始まる スクールランチ事業は2021年9月、それまで児童、生徒が弁当を持参し、学校で牛乳のみ提供する「ミルク給食」だった様似町でスタート。帯広の食品工場で作った給食を、約2時間かけてトラックで運んでいる。 パンや米飯などの主食とおかず、牛乳を提供する「完全給食」と遜色ない内容で、日々のメニューを見て不要と判断した家庭はスマホアプリ経由で事前キャンセルもできる。同町は本年度から小・中学生約200人分の給食を無償化したが、年間費用は約2200万円程度。同町の担当者は「食べ残し等が出ないよう、コープ側で量の調整もしてくれる」と話す。 22年4月からは上川管内愛別町と留萌管内初山別村も、小中学校の給食にコープのスクールランチを導入。両自治体とも約100食程度利用しており、様似と同様、ミルク給食からの切り替えだ。今年5月には、コープが提供した学校給食は累計20万食を超えた。 今後は完全給食を提供してきた自治体との契約を目指す。北海道教育委員会によると、道内の給食センター、調理場全202カ所のうち築30年以上は87カ所、築50年以上は15カ所。施設を建て替えた上で、給食センターの運営を民間に頼む手法もあるが、「少子化が進む中、給食センターの維持管理費は小規模自治体には大きな負担」(道内自治体関係者)で、留萌市などで給食の民間委託の検討が進む。道教委は「道内でスクールランチ事業を手がける民間事業者はコープ以外に把握していない」とする。