7月期アニメはオリジナル作品が目白押し！ 『【推しの子】』第2期以外で注目すべきは？
『天穂のサクナヒメ』
制作会社に注目するとP.A.WORKS作品が3作あり、いずれも要注目作だ。『天穂のサクナヒメ』はインディーゲームとして制作されながら、150万本以上の売り上げるなど異例の大ヒットを記録したゲームのTVアニメ化だ。ゲームクリアには稲作が重要な要素であり、本格的な稲作シュミレーションとしても作り込まれ、一部のプレイヤーが農林水産省のホームページを参考にするなどの話題を集めた。P.A.WORKSは富山県に本社があり、社長の堀川憲司のXアカウントでは実際の稲作にも取り組み、その様子も公開されている。まさに今作をTVアニメ化するのに最適なスタジオだ。PVでは和製ファンタジーとしてかわいらしいキャラクターが躍動しており、背景美術なども美しく、ゆったりと家族で楽しめる作品になりそうだ。
『菜なれ花なれ』
『菜なれ花なれ』は群馬県を舞台に、チアリーディングで応援する少女たちを描く。地方を舞台とし頑張る少女たちを描くP.A.WORKSらしいオリジナル作品だ。監督は『BanG Dream!』シリーズに長年携わっている柿本広大が担当しており、音楽アニメで映像と音楽を合わせ観客に快感を与えてきた実績もあるために、ダンスと音楽の融合した映像表現に期待したい。また音楽プロデュースにゆずの北川悠仁がクレジットされており、そちらにも要注目だ。
『真夜中ぱんチ』
『真夜中ぱんチ』は動画配信文化に着目したTVアニメだ。友人たちと始めた動画配信チャンネルから脱退させられた真咲と、ヴァンパイアのりぶを中心に「真夜中ぱんチ」というチャンネルを立ち上げて100万人登録者を目指すストーリー。監督の本間修は『パリピ孔明』でも監督を務めており、そのスタッフが再集結している。またPV1では勢いのある自由なコメディ表現が目立っており、笑いを中心にドラマを作り上げることだろう。3作ともに力作だけに、P.A.WORKSから目が離せない。
『異世界スーサイド・スクワッド』
最後に紹介したいのは『異世界スーサイド・スクワッド』だ。実写洋画でも人気なヴィランたちが集結し、異世界を舞台に大暴れする。海外でも人気が高く、アクション描写に定評のあるWIT STUDIOが制作を担当することからも、PVにあるような派手なアクションが多く見られることだろう。公開されたOPでは布袋寅泰のギターがインストで響きわたり、スタイリッシュな表現となっているほか、EDはホロライブENに所属する森カリオペが歌い上げることでも注目されている。海外の人気も爆発しそうな予感がありつつも、日本アニメならではの物語や表現が展開され、海外制作のヴィランたちとは一味違う姿を楽しむことができるのではないか。 今回はオリジナルやこの夏からスタートするTVアニメを中心に紹介してきたが、2期や続きものの作品も注目作が多い。『キン肉マン 完璧超人始祖編』や『「物語」シリーズオフ&モンスターシーズン』なども話題を集めそうだ。放送本数がこの夏も多いが、この暑さに負けない熱い物語を期待したい。
井中カエル
