元カープ佐々岡さん生家の女子学生向けシェアハウス、入居者1人に コロナ禍響く 浜田市金城町
島根県浜田市が同市金城町で県立大の女子学生向けに設けた「金城シェアハウス」の入居者が4月から新4年生1人だけになる見通しになっている。新型コロナウイルス禍の影響などで3年間新たな入居がなかった一方、3人が今月卒業するため。入学の時季を迎え、市や大学は気をもんでいる。 【画像】地域のイベントを手伝う女子学生たち シェアハウスは、市が2016年に開いた。プロ野球広島東洋カープの佐々岡真司前監督(56)の生家を改修。家賃月8千~1万2千円の6室を設けた。大学の学生寮(家賃月2万5500円)は1年生専用。市内の賃貸住宅は月4万円以上かかるため、学生の負担軽減を狙った。通学用に車1台を無償で借りている。 学生は町内イベントに企画や手伝いで携わり、金城中3年生に英語の補習をしている。地元は管理のほか、余った野菜を譲るなどして支えている。大学が地域政策学部を売りにする中、山間部地域を日々学ぶ場になってきた。 しかし、大学が20年、コロナ対応で留学生向けの別の寮(同2万5500円)に入れる日本人枠を24人に倍増。中国電力三隅発電所2号機の建設終了で市中心部に空き物件が増えたこともあり、21年以降新たな入居者がいない状況が続く。 大学は、学生寮を出る新2年生への説明会にシェアハウス生を呼んで発表をしてもらい、新入生への書類にシェアハウスの資料も入れた。市金城支所も「大学と築いた関係を続けるため、地域に関われることをしっかり打ち出したい」とする。 4月以降も入居する地域政策学部3年西山祐さん(20)は「地元の人から気にかけてもらい、いろいろなイベントへ誘ってもらっている。住む人が多いほど楽しいので、ぜひ入ってほしい」と話している。
中国新聞社