ME:Iメンバー紹介第3回:高見文寧 圧倒的な歌唱と表現力でパフォーマンスを底上げ
大熱狂のうちに幕を閉じたオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』(以下、日プ女子)。その最終結果をもって誕生したME:Iは、個性豊かな11人で構成されている。 【画像】デビューを勝ち取った高見文寧 今回は、一度聴いたら忘れられない、中毒性のある声を持つ高見文寧をピックアップ。彼女の魅力を改めて紹介したい。 彼女が最初に注目を浴びたのは、最初のレベル分けテストにてIZ*ONEの「好きと言わせたい」を披露したときのこと。〈昔のようにときめきましょう〉というパートを歌唱するや否や、トレーナー陣は口を大きく開き高見の虜になっていたのが印象的で「歌ってる時の声と、話す時の声が全然違う!」と評価された。実際、彼女の歌声には、その場に居合わせた練習生や、番組を見た国民プロデューサー(視聴者)も虜に。1週目から9位という高い順位をマークした。 そのため、グループバトルやポジションバトルなど各工程においてもチームのボーカル力を底上げする存在として、メンバーから頼りにされていた印象。そのたびに、自分のパートはきっちりとこなしながらも、優しくアドバイスする姿が印象的に映っていた。 ただ、個人的には高見の魅力をボーカルに絞るのはもったいないと感じている。
高見文寧、楽曲コンセプトごとに変わる表情
彼女の魅力は、曲のコンセプトをパフォーマンスに落とし込む力であり、それはボーカルにとどまらず、ダンスにおいても言えることだからだ。 そのことが顕著に現れていたのが、コンセプトバトルで披露した「TOXIC」でのこと。普段は話すとおっとりしており、少し控えめな高見が挑発的に歌う姿を見て、まさに“中毒”になる国民プロデューサーが続出。甘い歌声はもちろん、セクシーな動きに合わせた妖艶な表情は、高見の新境地を見せてくれた。 「TOXIC」以外でも、番組では、高見が曲と真摯に向き合い、コンセプトを落とし込む力が高いことを思わせる一幕も。それは、グループバトルで乃木坂46の「制服のマネキン」を披露した際のこと。ステージに向けて、グループが結成された際、まず高見は「歌詞の中に出てくる〈君〉の存在を具体的にした方がいい」と控えめながらもはっきりと提案。グループはそれをもとに、オリジナルの振り付けを交えるなどして、曲を自分たちのものにしたのだ。また、高見自身も、少女が成長していく過程を歌った同曲のもどかしさを、声に緩急をつけながらパフォーマンス。原曲の持つ世界観を自分のものに落とし込んでいた。 ポジションバトルでは、宇多田ヒカルの「First Love」でバラードに挑戦。パワフルな声はそのままに、人生でたった一度しかない初恋を優しく、大切に歌い上げる姿で国民プロデューサーを魅了。YouTubeに投稿されている、同曲の高見“推しカメラ”は公開から約1カ月で150万回再生に迫る勢いを見せた。 しかし、同曲でのポジションバトルに関しては、自身の中で思うような結果を残せなかった高見。その悔しさを「自分のパートをものにできず悔しいし、自分に対して腹が立った」と発言していた。このことからも、彼女にとって、与えられた曲をいかにして自分の中に落とし込むかが大切だということが窺える。 そう考えると、今後どのようなコンセプトの曲が与えられたとしても、その度に彼女は表情を変え、コンセプトに沿ったパフォーマンスをするに違いない。天を突き抜けるような圧倒的な歌声でグループを引っ張っていくのはもちろん、さまざまな表情で多くのファンを魅了する。そんな姿に期待したい。
於ありさ