ダルビッシュ有の母・郁代「一度だけ大泣きしました」50校近い高校からスカウトがくるも「まだギリギリ辞められるよ」と車中で話した親子の会話
ダルビッシュ有の母・郁代さん。中学時代にすでに野球で活躍していた有選手。全国の有力校からスカウトを受けるなか、東北高校から運命とも言える電話がかかってきます(全6回中の3回)。 【画像】「まだあどけない表情が新鮮!」子ども時代のダルビッシュ有 兄弟と旅行に行ったときの写真など(全7枚)
■東北高校を見に行きたいと言われても ── 長男の有さんは中学時代にすでに野球で名前が知られ、全国50校近い高校からスカウトが来たそうですね。 郁代さん:有が中学3年生になる春頃にはいろいろな学校から声がかかって、甲子園の常連校だった学校からもたくさん連絡がきました。でも、私も中学の野球部の監督さんも有の人見知りでシャイな性格をよくわかっていたし、強くて上下関係の厳しすぎる学校に行っても確実にすぐ辞めるだろうと。
お父さんといくつか学校を見学していくなかで、途中で東北高校のマネージャーさんらしき人から連絡がきたんです。たしか、私が電話をとったのかな。有をスカウトしたいって言ってくださいました。正直、当時は名前を聞いたことがない学校だったし、たくさんある学校のなかでも遠方だしこの学校はないだろうと思っていたんです。でも、本人に伝えたら「東北高校を見に行きたい」って。 それまで自分からほとんど「ここに行きたい」とは言わなかったんですけど。そのときの東北高校に、有の二つ上で高井雄平くんっていういいピッチャーがいたんですけど。彼が野球雑誌に載っていて、有が「その人を見たい」というので、すぐに行きました。
── 大阪から東北に足を運んでみていかがでしたか? 郁代さん:監督さんも野球部の雰囲気もすごく伸び伸びした環境で。有は東北高校をすごく気に入って「あそこに決める」って。まぁまぁ即決だったので「ほんまに考えや」ってちゃんと言ったんですけど、有の気持ちは変わらなくて、そのまま東北高校に進学が決まったんです。それが中学3年の初夏くらいですね。 その後、どんな状況だったか曖昧ですけど、有を車に乗せてどこかから帰る途中だったのかな。有がいきなり「やっぱり東北高校行くの辞めようかな」って言ったんです。もう10月に入ってて一瞬「え?」って思ったんですけど、有がそこに行くのが不安になってきたみたいで。私も有が考えて辞めるんだったら、まだギリギリ辞めれるよって。まだ中3なんで、嫌やったら無理に行くことはないし。
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