「ザ☆ウルトラマン」ムツミ役・島本須美、45周年で新事実 次世代に繋ぎたいジョーニアスの物語
舞台経験は豊富だった島本は、特にキャラクターの口に合わせてセリフを当てることに苦労していたという。「新人の頃は、吹き出しマークにセリフを合わせることに気を取られがちなんです。セリフを言うタイミングに関しては、慣れていないと、口が動いた時に話しても遅れてしまいます。なので、当時は合わせることに必死だった気がします。二瓶正也さん(トベ博明役)も初めてのアニメ声優だったらしく、キャラクターの口の動きに合わせることが慣れていなかったので、苦労されていた記憶があります」
ムツミの面影が…新録ナレーションで苦戦
島本が声を当てたムツミ隊員は、科学警備隊で唯一の女性隊員だが、性別で特別扱いされることを嫌い、男性メンバーに負けない存在感を放っている。「ムツミ隊員は、まっすぐで素直な感じが素敵ですよね。竹を割ったような性格で、全くブレません。男性ばかりの職場でも、自分の意見を曲げずに強くあり続けるムツミ隊員を、当時から演じることができていたと思います」 「ザ☆ウルトラマン」は、45周年を記念して初HDリマスター化が決定しており、ブルーレイBOXには最終回4部作(第47話~第50話)「ウルトラの星へ!!」を新規映像に一本化『長篇アニメ映画 ザ☆ウルトラマン ウルトラの星へ!!』が収録される。島本は同作のナレーションを務めており、新たに録音を行った。
「45年前は声を作らずに喋っていたのですが、当時の声はもう出せないので、今回は声を作らないといけませんでした。収録時には、(スタッフが)当時のままではなくても大丈夫とも言ってくださったのですが、どのくらいまでがギリギリセーフかなと思い、最初に落ち着きすぎた声で収録したら、ムツミの面影がなくなってしまい……。『こんなに落ち着いたムツミではいけない』と思ったり、声の度合いが難しかったです。(ナレーションは)当時のムツミの声ではないと思って聞いてください」
最終回4部作は、「ガンダム」シリーズの生みの親である富野由悠季が「斧谷稔」名義で、「装甲騎兵ボトムズ」の高橋良輔が「山口和十八」名義で絵コンテを制作している。島本は「富野さんが別名義で参加されていたことは、実は今日(イベント会場で)知ったんです」と打ち明け、「富野さんとお仕事をすることが夢だったので、『ザ☆ウルトラマン』でそれが叶っていたとは思ってもいませんでした」と45年目の新事実に驚きを隠せないでいた。