奈良県主催の2.7億円「無料K-POPライブ」反対意見押し切り予算可決　伝統の祭りは廃止

　奈良県知事が打ち出した「無料K-POPライブ」。県民から疑問の声もあがるなか、16日県議会で予算案が可決されました。 【画像】廃止の「天平祭」と「無料K-POPライブ」　予算と動員数を比較すると

■伝統のお祭り「天平祭」は廃止

街の人 「あったら行きたいですね。年齢層によって考え方が違う」 街の人 「そんなお金があるんでしょうか。県民に直接的に広く利益になるようなことに使ってもらいたい」 　奈良県民の間で物議を醸している無料のK-POPライブ。県は来年10月、奈良公園での開催を予定していて、およそ2億7000万円の事業費を見込んでいます。 奈良県　山下真知事 「経済効果、ビッグイベントを行うことでの奈良県そのもののPR。そうした効果が期待できるので、ご理解いただけないかなと思い、予算案を出した」 　一方、反対派の県議は、県による事業費負担が廃止された地元の祭りを引き合いに出し、こう指摘します。 奈良県　永田恒県議 「『天平祭』という祭りをこれまでずっとやってきたが（今年度）廃止されました。知事が『費用対効果』という言葉をよく使う」 　永田県議によりますと、天平祭の費用は年間3回の開催で合計1億3300万円。K-POPライブは、およそ2倍かかることになります。動員数は、天平祭が去年11万7500人だったのに対して、K-POPライブは9000人の見込みです。 永田県議 「『費用対効果』という意味においても天平祭だと」 　16日、奈良県議会では複数の議員から反対意見が出されましたが、K-POPライブの費用などを盛り込んだ補正予算案が可決されました。 山下知事 「今後、日韓関係を安定的に保つ上で若い世代の交流が重要だと考えて、こうした企画をやろうと思った」 　財源については、県が以前に開催した「シルクロード博覧会」という事業の収益金を積み立てていて、ライブ費用の全額をまかなう予定です。 （「グッド!モーニング」2024年12月17日放送分より）