沢村玲×別府由来、究極のラブストーリーで意識していた2人の関係性:インタビュー
沢村玲(ONE N' ONLY)と別府由来が、ドラマ『ハッピー・オブ・ジ・エンド』(フジテレビで毎週月曜日26時55分~2話ずつ放送&FODで独占配信中、Tverで見逃し配信有り)に出演。沢村はミステリアスな美青年ケイト/浩然(ハオレン)、別府は家族に見放された不幸な男・柏木千紘を演じる。沢村はダンス&ボーカルユニットONE N' ONLYに所属。今年4月に放送・配信されたドラマ『彼のいる生活』に出演し、春名圭太を演じたのも記憶に新しい。別府は、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』で猿原真一/サルブラザー役を演じ、ラジオパーソナリティとしても活躍している。 【写真】沢村玲&別府由来、撮り下ろしカット BL(ボーイズラブ)界のレジェンドである、おげれつたなか氏による『ハッピー・オブ・ジ・エンド』(バンブーコミックス Qpa コレクション/竹書房刊)が原作で累計発行部数31万部、BLアワード2022<ディープ部門>で1位を獲得した人気作品。最悪な出会いをした2人が、徐々に心を通わせ、執着や嫉妬、罪悪感など複雑な感情をリアルに映し出す。愛を求め、もがき、苦しみ、そこから変化していく2人の関係が描かれた究極のラブストーリーとなっている。インタビューではW主演を務めた沢村玲と別府由来に、『ハッピー・オブ・ジ・エンド』の原作、脚本を読んで感じたこと、撮影のときに意識していたことについて話を聞いた。(取材・撮影=村上順一) ■出演が決まる前に… ――お2人はもともと面識はあったのでしょうか。 沢村玲 面識はなかったのですが、僕と別府くんには共通の知り合いがいて、『ハッピー・オブ・ジ・エンド』の出演が決まる前にたまたま会ったんです。 別府由来 偶然同じお店でびっくりしました。 沢村玲 そこで共通の友人に別府くんを紹介してもらいました。そのあとにこのドラマ出演が決まってびっくりしました。。 ――W主演ですし、運命的な出会いだったんですね。さて、本作の原作と脚本を読んでどのような印象を持ちましたか。 沢村玲 正直、かなりディープな話だと思いました。最初はそういった印象をもったのですが、人間模様がしっかりと描かれていることに気づき、興味深い作品でした。ただ、出演のオファーいただいたとき、自分はケイト/ハオレンをどう表現したらいいのか、と考えてしまいました。 ――沢村さんは『彼のいる生活』でBL作品に出演された経験はありますが、本作はまた趣きが変わりますよね。 沢村玲 今回、僕と別府くんで主演をさせていただいて、物語を決定づけていく役割でもあるので、『彼のいる生活』のときとは少し違いました。2人でたくさん話し合いました。 ――別府さんは原作と脚本を読まれて感じたことは? 別府由来 シンプルに面白くて、すぐに作品の虜になってしまいました。もし自分以外の役者さんが千紘を演じるという情報を聞いていたら、「僕がやりたかった!」と嫉妬してしまうような作品だったので、今回自分に出演のお話をいただけてすごく嬉しかったです。とにかく全力で頑張ろうという気持ちと、作品の一部になれる幸せがありました。 ――特に作品のどのようなところに好感を持ちましたか。 別府由来 僕自身が完璧な人間ではないので、僕と同じように、何かに飢えている、何かを欲している人に引かれやすいのですが、この作品はそういった人間の本質が色濃く出ていて、とても魅力的でした。BL作品の多くは、綺麗なところにフォーカスして描いているイメージがありました。だけど『ハッピー・オブ・ジ・エンド』は綺麗なところを描くだけでなく、その裏にある美しくない部分、人間のネガティブなところもしっかり表現されていて、片方だけにフォーカスしていないところがとても印象的でした。 ――先程、沢村さんがたくさん話し合ったとおっしゃっていましたが、特にどんなところをフォーカスしてお話しされたのでしょうか。 沢村玲 撮影初日に食事に行ったのですが、この作品に対しての想いとそれぞれの役柄について特に話し合いました。お互いの役についてどう思っているのか、すごく大事だなと思いました。それは別府くんが考えるハオレン、僕が考える千紘という客観的にみた意見と自分が考える役について2人ですり合わせをしました。特にベッドシーンはそれが重要になってくると思い、細かいところまで2人で話し合いました。 ■座長として心掛けていたこととは? ――お2人は座長ですが、現場で心掛けていたことはありましたか。 沢村玲 心掛けていたことは、ストーリーが重たい部分もあるので、撮影していないときは現場を明るくできたらなと思っていました。ただ、自分が主演というところで考え過ぎてしまった部分もあったんじゃないかと、座長というところでは反省が多かったです。でも、別府くんと切磋琢磨できてすごく充実していたので、その空気感がスタッフのみなさんにも伝って、良い感じになっていたのではないかなと思います。この作品で座長を経験できたので、次があればもう少し余裕を持って臨みたいです。。 別府由来 現場の雰囲気が良い方が自然とより良いパフォーマンに繋がるのではないかと思っています。なので自分から積極的にコミュニケーション取ったりしていました。スタッフさんとはほぼ毎日会うので自然とコミュニケーションは取れるのですが、ゲストの方もいらっしゃるので、そういう方に積極的に話しかけていました。僕もゲストとして出演する現場は、いきなり飛び込んでいく感じなので不安なんです。そういう現場で声をかけてもらえると、すごく演技がやりやすくなった経験がありました。自分が今回その立場として、やりやすい環境にできたらと思っていました。 ――それぞれの役を演じるにあたりこだわっていたところは? 沢村玲 ハオレンは幼い頃の体験から感情が欠落しています。表立って心の内を見せるのが上手ではない役だったので、心の内を見せないということにこだわっていたところかもしれません。ハオレンの生い立ちはとても壮絶な過去なんです。別府くんも言っていたのですが、複雑な環境で、、、。マツキ(演・山中聡)がハオレンに対して「この小卒が」と言うんですけど、そう言われるほど学生経験はないですし、人に対してもどう接していいのかわからない人物です。千紘がいることによって、どんどん人間として成長していくのですが、その変化を意識して演じていました。 別府由来 僕はハオレンへの思い、純粋さを軸においていて、どのシーンでもそれを常に忘れずに演じていました。また、相手がどういうお芝居をしてくるのかをしっかり感じて、柔軟に対応するように心掛けていたので、それは一つのこだわりだったと思います。千紘としての何か一つマストで決めておかないと千紘がブレてしまうと思いました。その中で誰かを好きになる、誰かを大切にする気持ちは僕も知っているので、親を思うような気持ちに置き換えたりしていました。ハオレンへの思いを持ちながら演じられれば、間違いはないぞと思いました。 ――最後に、撮影を通して印象的だったシーンや注目してほしいシーンはありますか。 別府由来 この作品は暗いシーンが多かったりするのですが、ハオレンと千紘のデートっぽいシーンがあって、そこが特に印象に残っています。原作では2人がデートをするようなシーンは割と描かれていたりするのですが、今回全8話に落とし込んでいるので、唯一のデートシーンなります。だからこそ、そのシーンは印象的で、僕自身も演じていて楽しかったです。その裏では悲しみもあるから、ただ楽しいだけではないんですけど、その瞬間だけはそういったことは忘れてもいい、いまを楽しむ感覚を僕は味わえました。その幸せがあるからこそ寂しさが生まれる、楽しめば楽しむほど後が辛くなっていくので、その振り幅を大きくするために楽しくやりたいという気持ちがありました。 沢村玲 ハオレンが初めて自分以外の人のことを思って考えるシーンは印象に残っています。ハオレンは自分のことはよくわからない、相手のことを考えるというより、利用したりすることが多かったのですが、あるシーンで初めてそういったところから逃げるのではなく、相手のためを思って送り出すシーンというのはグッときました。それに対して千紘が反応してくれることによって、すごく良いシーンだなと思いましたし、注目してもらえたら嬉しいです。 (おわり) <沢村玲> スタイリスト:竹上奈実 ヘアメイク:小原梨奈 <別府由来> スタイリスト:庄司洋介 ヘアメイク:友森理恵(Rooster)