業務中の「トイレの回数が多い」と注意されました…一日に何回ならよいのでしょうか?
トイレに行きたくなるのは生理現象ですので、業務中に行くことも仕方のないことだと思いますが、あまりにも回数が多い場合はやはり、評価が下がってしまうのでしょうか。 トイレのために何度も席を立つことで、上司から注意を受けることもあるかもしれません。 「一日に何回までなら許容範囲内なのか?」「トイレの回数が多すぎると減給処分になることもあるのか?」と、不安になる方もいらっしゃるでしょう。 本記事では、休憩時間と労働時間の定義を踏まえて、トイレの回数が多いことで、ペナルティーの対象になるケースについてご紹介します。
休憩時間と労働時間の定義とは?
労働基準法によると、労働時間の上限は「一日8時間」「1週間40時間」と定められています。 さらに、「労働時間が6時間以上8時間以下の場合は最低45分、8時間以上になる場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならない」というルールがあります。 ここで重要になるのは、どのような時間が「休憩時間」と「労働時間」に該当するのかではないでしょうか。 厚生労働省によると、「労働時間とは、会社の指揮命令下にある時間」のことをいいます。 つまり、休憩時間は「会社の指揮命令下にない時間」のことであり、完全に労働から離れた状態であると考えられます。 ■トイレに行く時間は休憩時間なのか? 業務中にトイレに行っても、トイレから戻ったらすぐに業務に従事することが求められるため、「完全に労働から離れた状態」とはいえないでしょう。 そのため、トイレに行く時間も「労働時間」であると考えられます。 もし、トイレに行っている時間分の賃金をカットされるようなことがあれば、労働基準法違反に該当する可能性があるでしょう。
故意に「サボっている」と判断された場合は?
厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」には、情報機器を用いた事務所作業を行う際には、「1時間に1~2回の小休止をとる」ことが明記されています。 つまり、パソコンを使ったデスクワークに従事している人は、「1時間に1~2回は席を立っても問題ない」と考えられます。 短時間で済ませてすぐ業務に戻るのであれば、一日の労働時間を、休憩時間を除いた7時間とした場合、7~14回ほどトイレに行っても問題ないのかもしれません。 ただし、あまりにもトイレに行く回数が多かったり、1回のトイレにかかる時間が長かったりする場合は、「故意にサボって業務に従事していない」と判断されてしまうおそれもあります。 誤解を与えないように、あらかじめ自身の体質について、周りに伝えておくようにしましょう。