<異世界スーサイド・スクワッド>「めっちゃかわいい!」ハーレイのピエロコスにメロメロ… ラット・キャッチャーとの再戦に燃えるスースクを描く
ハーレイ・クインやデッドショットといったDCコミックスを代表するヴィラン(悪役)たちで構成される特殊部隊スーサイド・スクワッドが、剣と魔法の異世界で大暴れする「異世界スーサイド・スクワッド」(毎週金曜深夜0:30-1:00ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・Prime Video・FOD・Huluほかで配信)。ワーナー ブラザース ジャパンが仕掛ける日本発の完全新作オリジナルアニメで、DCコミックスのキャラと異世界ファンタジーの魅力が味わえる異文化交流なミクスチャー作品。第4話は、前話で逃げられたラット・キャッチャー(CV:上田燿司)のリベンジマッチを、スーサイド・スクワッドが見事に迎え撃つ様子が描かれた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】デザイン面も抜け目ない、かわいいと話題になったピエロコス姿のハーレイ・クイン ■ハーレイのピエロコスに沸く視聴者 ラット・キャッチャーとの戦いを制したハーレイ・クイン(CV:永瀬アンナ)らスーサイド・スクワッド(スースク)だったが、必要以上に砦に損傷を与えたことで再び牢獄生活へ逆戻り。首に取り付けられた時限爆弾が爆発するまで残り12時間と迫るなか、牢獄に王国の姫であるフィオネ(CV:上田麗奈)がやってくる。フィオネはハーレイが気になっている様子で、何か言いたげではあるが、結局何も話さないまま。そんな煮え切らない態度に、不快感をあらわにするハーレイなのだった。 ここではハーレイとフィオネの関係性に注目。先日の女王との謁見の際もハーレイのことをチラ見していたフィオネは、明らかにハーレイのことが気になっているが、それがなんなのかはまだ分からない。一方のハーレイも、気弱なフィオネに対して「どっかの弱虫女みたい」と毒づく。これはおそらくジョーカーと出会う前の自分を指していると思われるが、いずれにしろお互いに意識していることは明らかだ。このあとも、ハーレイがフィオネに嫌悪感を抱くシーンがいくつかあり、これは今後のストーリーにおける伏線として覚えておきたい関係性だ。ちなみに、牢屋でのハーレイはパーカーのフードを被っており、その姿はまるでピエロのようだった。このピエロ姿はDCコミックス登場時のコスチュームで、漫画ではレオタードのようなピチピチ素材に身を包んでいる。これまでは実写映画版のコスチュームに寄せていたハーレイだが、ここにきて原作衣装のニュアンスも取り込むなど、デザイン面でも抜け目がない。アニメにおいての衣装変更は作画の負担が増すため、ふつうであれば避けるもの。しかしハーレイのビジュアルは本作の大きな魅力のひとつなのはたしかで、その手間ひまを惜しまないスタッフ陣の情熱には感謝しかない。実際、SNSでも「このフードめっちゃかわいい!」「フードで雰囲気変わるね」などの声があがっていた。 ■フィオネの過去が明らかに 続いてはフィオネの過去シーン。子供時代のフィオネは、ときおり王城を抜け出して町の子供と遊んでいた。しかしそのことを王女のアルドラ(CV:能登麻美子)に咎められ、さらには原因は不明だが、仲の良かった町の子供も死んでしまう。それでも母であるアルドラに逆らうことはできず、フィオネは言いたいことも言えずに育ってきたことがうかがい知れる。 フィオネの過去シーンでは、子供時代に仲の良かった男の子との死別が描かれている。戦争に巻き込まれたのか、あるいはほかの理由かは分からないが、この出来事は「戦争を止めたい」と強く願うフィオネの性格形成にも影響を及ぼしていると思われる。また過去シーンには若いころのセシル(CV:福島潤)も登場しており、現在よりも毛量の多いフサフサ頭が確認できる。かなりシリアスなシーンであり、話の本筋とはまったく関係がないにも関わらず、視聴者は興味津々。とくにこのシーンの直後に現在のセシルが映し出されただけに、SNSでは「すでに兆候はあったよなw」「時の流れは残酷やね」などの声があがっていた。 帝国軍の軍勢が王国へ向かってきていることを受け、軍議を開くアルドラたち。スースクも参加するなか、軍人であるリック・フラッグ(CV:八代拓)は、獣人からなる敵軍勢を統率しているのがラット・キャッチャーであることを告げ、スースクの戦場参加の権利を勝ち取るのだった。 軍議シーンではハーレイの閃きが炸裂。「ネズミ野郎」というワードから、昔ジョーカーがやった「ネズミ狩り」を思い出し、作戦のアイデアを提供。さらには自国の兵士を貸し渋る王国に対し、囚人を利用することを提案するなど、柔軟な発想でスースクの立場向上に貢献した。スースクメンバーのなかでも、ひょっとするとハーレイがいちばんの知恵者なのかもしれないと思わせてくれるシーンだった。 ■リックの不満が爆発! スースクを束ねるストレスは半端じゃない!? こうしてラット・キャッチャーとの再戦に向けた準備がスタート。ハーレイは大監獄にいたオーガたちをまとめ上げ、クレイフェイス(CV:福山潤)は泥を操る能力で防壁を設置するなど着々と準備は進んでいく。一通りの応戦体制が整ったころ、ついにラット・キャッチャーが率いる獣人の大軍勢がやってくる。 戦闘準備のシーンでは、ハーレイと囚人オーガたちのやり取りに注目。ハーレイはオーガたちから「姐さん」と呼ばれるなど、監獄内でずいぶんと親しくなったようで、「しっかり働けば、あのクッサい監獄ともおさらばよ!」と盛り上げ上手の一面を見せてくれた。またその一方で、なかなか言うことを聞かないスースクにストレスを募らせるリックが、「いつだって兵士は上の命令には逆らえない!…だろ?」とセシルに愚痴をこぼすシーンも。先遣隊も含め、破天荒なヴィランたちと行動を共にしてきたリックだけに、すでに相当不満が溜まっているのだろう。これにはSNSでも「このふたり気が合いそうw」「こうなるとリックの髪の毛が心配になってくるなw」など、リックへの同情票が集まっていた。 帝国軍と王国軍がにらみ合い、ついに戦闘の火蓋が切って落とされようとしたそのとき、戦場に一発の銃声が轟く。その正体はデッドショットによる長距離狙撃で、弾丸は正確にラット・キャッチャーの杖を破壊し、それによって獣人たちは支配から解き放たれる。ラット・キャッチャーは、杖の効果で従えていた獣人たちに詰め寄られ、あっけなく倒されてしまう。自我を取り戻した獣人たちはそのまま王国に投降するのだった。 ラット・キャッチャーとの再戦は、スースクが大暴れするまでもなくサクッと終了。その立役者はデッドショットで、700M超えの狙撃を難なく成功させる腕前はさすがの一言だ。デッドショットはゴッサム・シティでも屈指の「狙撃の名人」なので、ようやく彼の本領発揮といったところだろう。また、狙撃後のラット・キャッチャーの振る舞いも光っていた。杖を破壊されたことに気づかず、獣人たちを乱暴にけしかけたかと思えば、状況を飲み込んでからは態度が一変、恥も外聞もなく必死に命乞いをするなど、その最期はじつに小物ヴィランにふさわしかった。そしてなにより注目だったのは、ところ構わず暴れまわってきたスースクが戦略を用いて完勝したこと。ラット・キャッチャー以外、ひとりの犠牲者も出さずに勝利したことは大きく、「スースクはただのならず者ではない」ということを強く印象付けたエピソードかもしれない。さて次回第5話は8月2日(金)放送予定。楽しみすぎて、今から待ちきれない! ◆文/岡本大介