地域の特性をいかした持続可能なものづくりを

日本文具大賞はその年の優れた文具に贈られるアワードで「機能」「デザイン」「サステナブル」の3部門からなる（ミヤモリ提供）

――今後の展望を聞かせてください。 会社としては「100年企業」を目指しています。あと42年で達成できますが、その時私は97歳になっています。この42年の間に、社会と社員に貢献することを大きなビジョンとして掲げています。 社会に対しては事業を通じて納税し、地域貢献をおこないます。社員に対しては、自己実現を支援する環境づくりに重点を置いています。特に、若い世代の意見を大切にしており、20代の社員を中心にプロジェクトチームを組んで新しい取り組みを進めています。 これらのビジョンを実現するためには、社員の意識向上と外部からの情報収集が重要だと考えています。SDGsは世界的な概念ですが、特に富山県のような自然に恵まれた地域では、その重要性が実感しにくい面もあります。 そこで、社内でのプロジェクト活動だけでなく、外部のコンサルタントを招いて一緒にプロジェクトをおこなったり、様々な情報を中に入れたりしています。 また、繊維炭をエネルギー源として活用する研究も進めており、将来的には石炭の代替となることを目指しています。 富山県は自然に恵まれた地域で、周囲100km圏内で糸から染色、生地作り、製品化までの一貫生産ができます。これはCO2排出量の少ない生産体制として、世界に誇れる強みだと考えています。今後もこの強みをいかしながら、持続可能なものづくりを追求していきたいと思います。