ライター・粟生こずえさんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」5冊「最近、“並行読み”に凝っています」
粟生こずえさんの「マンガを読むときのマイルール」
「最近凝っている読み方は、同じジャンルの作品やシリーズ作を並行読みすることです。たとえばあだち充の『タッチ』『H2』『クロスゲーム』『MIX』の4作をマンガアプリで1日1話ずつ。『生徒諸君! 』と続編2作を1日1話ずつ……というやり方です。シリーズ作の場合ですと“未来”を並行して読むことになって面白い!」
青田買いした注目の新人作家の作品は?
◆『銀のくに』はやしわか/ヒーローズ 舞台はしんしんと雪が降り積もる新潟の田舎町。高校1年生の五十嵐風花は両親と祖父母と5人暮らしだったが、ある日、学校から帰ると家族が増えることに……。 「雪国の小さな町で暮らす高1女子の家に、存在さえ知らなかったいとこの兄妹がやって来て……。センチメンタルなムードもいつか感じたことのあるようなほどよさでホッとする、読ませるドラマ。同じ作者さんの短編集『変声』も良いです」
2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?
◆『飼ってない猫』関口かんこ/講談社 普通の生活を送っているだけなのに、なぜか続々と野良猫が家に押しかけてきて……。猫たちから逃げられなくなってしまったマンガ家が綴るコミックエッセイ。 「タイトル通り、登場するのはすべて野良猫。作者の家に勝手に押しかけてくる猫との日々を描くコミックエッセイ。適宜お相手したりしなかったりする距離感が独特で楽しいのです」 編集者・ライター・作家 粟生こずえ(あおう・こずえ)さん マンガレビュー、マンガ家インタビュー多数。本を読むのが習慣の自称“読鬼”。不定期でブックトークイベントや蔵書を放出する「おもしろ古本市」を開催。 発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024 眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。
大嶋律子(Giraffe)