「運命の1週間」が始まる ソフトバンク、開幕1軍生き残りへ 川村友斗の猛アピールは秀逸
◆ロッテ1―1ソフトバンク(10日、ZOZOマリン) 【コラム好球筆打】 相変わらず、いいアピールをする。「7番中堅」で2試合ぶりに先発出場した育成選手の川村だ。佐々木の前に右飛、二ゴロと2打席凡退に倒れたが、投手が代わった後の2打席で二塁内野安打、中前打を記録した。しかも、3打席目の二塁内野安打は左腕の鈴木からマークし、4打席目も同点につながる中前打と内容も伴ったマルチ安打だった。中前打の直後には今オープン戦初盗塁も決めてみせた。 ■ファン「開幕センターでいいでしょこれ」川村友斗が好守【動画】 代走から途中出場した9日のロッテ戦では巡ってきた最初の打席で今オープン戦第1号本塁打を放っていた。同点とされた直後の攻撃で自軍選手が無死一、二塁での犠打を失敗(二塁走者が三塁憤死)した直後ということもあり、小久保監督からは「バント失敗の後やったんでね」と内容を称賛された。 結果的にこの一発は決勝3ランにもなるなど悲願の支配下入りへ最高のアピール弾となったが、翌10日も〝小休止〟することないマルチ安打で自身の存在をさらに強く印象付けた。これで今オープン戦打率も4割(10打数4安打)まで上昇。少ない打席数の中でのアピールが際立つ。中堅の守備でも5回に定位置前の飛球にスライディングキャッチを決めるなど、攻守にわたるアピール度は支配下選手も含めた若手の中で群を抜くと言ってもいいのではなかろうか。 今回の千葉での3連戦を終え、今年のオープン戦は残り11試合となった。29日のシーズン開幕(対オリックス)までは2週間以上もあり、まだまだ時間に余裕はあるが、小久保監督がチーム内の競争期間のリミットに指定する17日の西武戦(ペイペイドーム)までは残り6試合しかない。「川村も頑張っているしね。いま(1軍帯同野手は)20人だけど、開幕は16人なので、そこをしっかり見極める。1週間で4人はたぶん落とさないけど、見極めていく段階に入ります」。小久保監督はそう言って、この日の試合後取材を締めた。開幕1軍争いの当落線上にる選手にとっては「運命の1週間」となることは間違いない。(石田泰隆)
西日本新聞社