爆食保育士の5年間の変身記録「1日5分でも毎日筋トレ」を続けて筋肉コンテスト優勝【筋トレビフォーアフター】
肥満とは、突然なるものではない。しかし、気づかぬふりを続けるうちに着実に身体を覆い、ある日、愕然とする姿になって鏡に映る。遼太(りょうた/34)さんも5年前にその衝撃を受け、肉体変革に乗り出した一人だ。 【写真】背中も脚もムキムキ!遼太さんの生まれ変わった全身フォト
「食べることが大好きで、どんどんお腹が出てきているのを実感しながらも目を瞑って過ごしてました。ほとんど毎日飲酒をし、ラーメン、パスタ、スナック菓子など食べたいものを苦しくなるまで食べる生活にコロナ禍での運動不足が重なり、気づけば周りからも指摘されるほどに太ってしまいました」 当時の遼太さんの体型は、身長167cm、体重74kg。見た目だけでなく、体脂肪率も肥満域となる25%を超えていた。焦りを感じて食事制限とマラソンを開始、5カ月ほどで18kgの減量に成功する。しかし……。 「痩せてみて出てきたのは、筋肉のないペラペラの身体でした。そんな自分が嫌になり、ジムに通うことを決めました」 1日に5分でもいいから毎日続けよう。習慣はやがて楽しみになり、いつしか1回2時間超の本格的なトレーニングになっていた。さらに気づいたときにはホームジムを作っていたという。ホームジムになってからは、YouTubeなどで集めた情報と自分のフォームとを比較しての試行錯誤により熱が入った。 「筋トレは週6日、脚(大腿四頭筋)、胸、背中、肩、脚(ハムストリング・殿筋)、腕と5分割した夜のトレーニングをメインのほか、朝にも10分間行っています。その日の部位に支障のない箇所を5~10セット、前腕や腹筋なども含めて短時間でもしっかり追い込めるものを選んでいます。以前は朝トレはタイマーで測り、上半身の部位を全て追い込むなども試しました」 もっとキツくするにはどうしたらいいか。没頭し続けて5年が経ったころ、遼太さんはかつての面影を消した、体脂肪率6%の隆々とした身体でステージに立っていた。 ※体脂肪率は市販の体組成計によるものです。 「今年、マッスルゲート神戸に出場し、成績はクラシックフィジーク新人で優勝、クラシックフィジーク168cm以下級優勝、ボディビル65kg以下級で2位でした」 初出場の大会で3つのメダル。だが、これほどの熱中も最初の一歩はとても小さなものだったという。 「頑張ってやろうとするのではなく、習慣になるまではほんの少しの変化を目指しました。トレーニング時間を5分から10分に、10分を15分にと、当たり前にできる範囲を少しずつ増やして習慣化したことが今につながったと思います。最初のダイエットのときの食事も、依存度の高いものは一気にやめるのではなく、少しずつ減らしていきました」 「大会用の本格的な減量に入ってからも、限られた食材のなかで朝・昼・晩とアレンジをして食事が楽しみになるように工夫しました。おすすめは、もやしや舞茸でかさを増した炒飯です。毎日食べていました。継続には、何よりもストレスを溜めないことが第一だと思います」 また、保育士として勤務する遼太さんはトレーニングを生活に入れたことで、生活がより効率的で豊かになったと語る。 「残業もあるため、筋トレは時間を決めて行っています。インターバルをしっかり測り、スマホは使えないようロックしています。体力的な面でも、筋トレの体力消耗が仕事に悪く影響したと感じたことはありません。むしろ心も身体もリフレッシュでき、元気に仕事に向かえています」 今後は、さらに肉体の進化を極めていきたいという。 「来年はジュラシックカップ(※)やJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の地方大会でボディビルダーとして出場したいです。JBBFはナチュラル(アンチ・ドーピング)の最高峰であり、ボディビルの最高到達点の舞台だと思っているので、いずれは日本クラス別選手権大会(体重階級別で日本一を競う)など大きな大会で活躍するのが目標です。40代になっても20代に見えるような身体を目指します」 (※)今年、日本一を獲得したボディビルダー木澤大祐選手と長年トップボディビルダーとして活躍する合戸孝二選手が主催する新興の大会。賞金とアンチ・ドーピングの徹底を特徴とする。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】 マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:にしかわ花 写真提供: 遼太