【震災の教訓学ぶ】県警察学校初任科生が被災地で研修 被災地出身者が仲間に当時の経験語る 岩手
岩手県警察学校の初任科生が東日本大震災の被災地を訪れ、震災の教訓や現状について学ぶ研修会が、30日行われました。研修会では被災地出身の初任科生が、仲間たちに当時の経験を語りました。 陸前高田市広田町の防潮堤の上で、東日本大震災の犠牲者に黙祷を捧げたのは、県警察学校の初任科生43人です。震災を学ぶ研修のため、この地を訪ね、現地では、津波の襲来を想定し、高齢者や障がい者など災害弱者を避難誘導する訓練も行いました。 その初任科生の中に、ここ広田町出身者が2人います。同期の仲間の前で、当時経験したこと、見たことを語りました。鈴木淳哉巡査は、震災当時小学2年生。学校にいるとき地震がおきました。 鈴木淳哉巡査(22) 「ちょうど帰りのホームルームを行っている最中で、先生の話を聞いていたら急に経験した事の無いような揺れに襲われました。地元の住民が海の方を指さしていたので、海を見たら波が大きな水しぶきを上げて来るのを見ました」 倉岡海斗さんは当時、保育園に通う5歳。保育園の駐車場で地震に遭遇しました。 倉岡海斗巡査(19) 「中学校の方々が走れ逃げろと大きな声を出して、山があったんですけど、そこの山を中学生の方々が私たちをおんぶし、必死になって登りました。その際、がれきなどで保育園はのみ込まれてしまって、形もなくなってしまっていて」 鈴木淳哉巡査(22) 「わたくしの同期には内陸出身者が多く、震災当時沿岸地域がどういった被害にあったのか知らない人が多いので、沿岸出身者として震災津波の恐ろしさを伝えたいと思って居りました」 倉岡海斗巡査(19) 「震災の被害について知ってもらい、自分が災害現場に行った際に市民の方々にどのように寄り添ったらいいか、参考になってもらえればと話しました」 被災地について理解を深めた初任科生たち。来年1月末には県内各地に配属され、警察官としてそれぞれの地域の安全と安心を守ります。