15日公示された衆議院選挙、和歌山2区では、「保守分裂」の構図に、立憲や共産などからも立候補し、激戦が予想されています。 　無所属・世耕弘成候補（61） 　「26年の政治経験があります」 　「離党してすべてを失いました。しかし諦めてはいません」 　自民党派閥の政治資金をめぐる問題で、離党勧告を受けた無所属の世耕弘成氏。 　自民・二階伸康候補（46） 　「私は、自由民主党の公認をいただいた身です」 　「自民党、公明党を中心とする、この政権とのパイプ。これをどうしても守らせてください」 　旧和歌山3区で“王国”を築いた二階俊博氏の三男、伸康氏。裏金問題の影響を受け、和歌山2区が自民党の支持層を奪い合う“仁義なき戦い”に突入。立憲民主、共産、諸派を含めた激戦区となっています。 　区割りの変更で旧和歌山2区の1部と旧3区が統合され、広大な選挙区となった和歌山2区。保守分裂の構図となったきっかけは、政治資金の問題で自民党を離党した前の自民党 参議院幹事長、世耕氏の動きです。和歌山は二階俊博氏のいわば“牙城”です。世耕氏は、その和歌山で衆議院にくら替えすることは表向き否定し続けてきました。 　無所属・世耕弘成候補（61） 「無所属、新人の世耕弘成でございます。『もう一回、和歌山の発展のために働け』『国のために働け』と言ってもらえるかどうかを謙虚にお伺いしていく、そういう選挙運動にしたいと思っています」 　しかし今回、自らは党を離れ、二階氏も裏金問題を引き金に政界を引退。タブーがなくなった世耕氏は、衆議院へのくら替えを決断しました。 　自民党から出馬する二階伸康氏は、選挙区内にある全国唯一の飛び地の村、北山村に入り、「地元密着選挙」を展開していました。 　自民・二階伸康候補（46） 「うちのオヤジ（俊博氏）からは『北山村のことは頼むぞ』『北山村のみなさんと共に歩め』このことを直接言われています」 　政治家としてのキャリアがある世耕氏に、あくまで“挑戦者”として挑む姿勢です。 　自民・二階伸康候補（46） 「比較すると、“象とアリのような戦い”。和歌山で育ててもらったからこそ、届けたい思いがある」 　2人の候補の激突について、有権者の胸の内は複雑なようです。 　海南市議 　「世耕さん、二階さんで、市議会の中でも半々くらい。やりにくくてしゃーない」 　建設業 経営者 　「世耕氏側に来ていることがバレたら、（二階氏側を支持している）上に怒られるから、変装して来ている」 　 　一方、立憲民主党から出馬した新古祐子氏は、裏金問題を強く批判。その受け皿になろうと存在感をアピールしました。 　立憲・新古祐子候補（52） 　「2大巨頭と言われる“裏金ブラザーズ”に対して、私一人で戦いを挑むような形になっております」 　「新しい風を、女性らしい風を、しっかりと国民の声を、国政に届けていきたい」 　共産党の楠本文郎氏は、物価高への対応を含む経済政策なども争点になる中、最低賃金1500円などを強く訴えました。 　共産・楠本文郎候補（70） 　「30年、若者を含めて賃金が上がっていない日本の現状」 　「全国一律の最低賃金1500円をすぐに実現をする。そして生産する年代の皆さん方の賃金を大きく引き上げていく」 　和歌山2区には、他にも諸派の高橋秀彰氏（42）が立候補しています。 　保守分裂を含め激戦が予想される和歌山2区。衆議院選挙は10月27日です。