伊藤美誠、世界女王に敗れベスト8 混合複は林詩棟/蒯曼ペアがV<卓球・WTTチャイナスマッシュ2024>
伊藤美誠 試合後コメント
<今大会を振り返って> 今回の大会は、本当に会場ごとに応援の仕方が違うことを実感しました。 最初の試合は大きなアリーナで行われましたが、観客の皆さんがとても品のある方々で、試合中も静かに見守ってくれている印象を受けました。応援の際も大きな声を上げてくれましたが、誰かが話しているときにはそれを注意し合ったり、観客同士で秩序を守ってくれていたので、とても助かりました。 フラッシュなどで試合が止まることもありましたが、その中でも観客の皆さんがルールを守ってくれたので、選手として安心感がありました。 <孫頴莎選手とは久しぶりに対戦したが> 久しぶりに対戦できて本当に嬉しかったです。点数的にはもっと取れた部分もありましたが、全体としては良い試合ができたと思います。特に、一ゲーム取れたことは大きな成果ですし、もう少し長く試合をしたかったという気持ちは残っています。点数こそ大きな差があったように見えるかもしれませんが、あと少しで違う展開になったと思える場面も多くありました。 <孫頴莎選手の存在について> まさに世界の中でもトップクラスの選手です。ジュニア時代から孫頴莎選手と何度も対戦してきましたが、初めは孫頴莎選手のことをほとんど知りませんでした。でも、実際に試合をしてみて、彼女がどれだけ強い選手なのかを痛感しました。同じ年の選手が、ここまで成長し、オリンピックでメダルを取る姿を見て、私も大きな刺激を受けました。 彼女と共に切磋琢磨しながら成長してきたことが、今の私にとって大きな財産です。今は同年代とは思えないほど強いですが、彼女がいたからこそ私もここまで頑張ってこれたと感じています。 <中国のファンの応援が非常に大きかったが> 中国のファンの皆さんの応援は本当に素晴らしかったです。特に孫頴莎選手を応援している方々が多かったので、その中でプレーできたことはとても楽しかったです。このような大きな声援の中でプレーするのは、他の国ではあまり経験できないことなので、特別な経験になりました。 中国の選手たちはこうした環境に慣れていると思いますが、私にとってはとても新鮮で楽しい経験でした。 <お母様がベンチコーチに入られていたが> 以前はお母さんはご飯を作ってくれたり、少し離れたところで私をサポートしてくれていましたが、今はベンチに入ってくれて一緒に試合を見守ってくれています。 お母さんがベンチに入ってくれていることは安心感があります。試合中に一言アドバイスをくれるだけで、その言葉が心に響くこともあります。お母さんは、ベンチに入るのは「記念」と言っていますが、親子として一緒にこの経験を楽しんでいるのかなと思います。 <お母様をベンチコーチにしている理由について> 私は小学校のときから中学1年生くらいまでずっとコーチがいて、それが当たり前の環境でした。長年、指導を受けながらプレーしてきましたが、今は少しフリーに考えたいという気持ちが強いです。 コーチングはとても大切だと思いますが、大人になってからは特に、もっと自由に、自分自身で考えながらプレーを楽しみたいという気持ちが強くなりました。もちろん、勝つことは非常に大切ですが、勝利だけを追い求めるのではなく、試合や練習の場で「楽しむ」という感覚を大事にしたいです。 だから、今はプロの監督をつけることについては特に考えていません。ですが、他の選手や色々な方々からアドバイスをもらったり、話を聞くことは非常に重要だと思っています。 <今後の目標やロサンゼルスオリンピックについてはどのようにお考えですか?> 正直、まだ自分でもロサンゼルスオリンピックのことははっきりとは考えていません。今の目標は、来年の世界選手権のシングルスでメダルを取ることです。これまで世界選手権ではメダルを獲得したことがないので、そこに向けて全力で取り組んでいます。それが今の一番の目標です。 その後のことについてはまだ考えていませんが、やるかやらないかは自分で決めることです。もちろん、ロサンゼルスオリンピックで私を見たいと言ってくれる方々もいると思いますが、今はまず世界選手権でのメダル獲得を目指して集中しています。