声優・小西克幸「1年だと48個」 仕事に対するモットーとは【伊藤遼の声優 一答遼談】
『鬼滅の刃』の宇髄天元や、『SHAMAN KING-シャーマンキング-』の阿弥陀丸などの声で知られる、声優の小西克幸さん、50歳。27年以上声優として活動してきた小西さんは、現在の声優人気をどう思っているのか。“アニメ・声優オタク”の私、伊藤遼がお話を聞いてきました。 【動画】声優・小西克幸さんインタビュー
■アニメ業界への思い “声優”以外にも目を向けてほしい
――今の声優人気についてどう思っていますか? とてもありがたいと思います。キャラクターがいて僕たち声優がいられるので、キャラクターだけ皆さんに見ていただければいいなと思うんです。でも、やっぱり声優というものが世の中に出るようになって、職業としても認知されて目指してくれる人も多いし、裾野がどんどん広がっていって、よりいいものができていくのではないかと思うんです。声優もそうですけど、アニメーターやアニメ音楽を作られる方などにも目を向けていただけるとうれしいです。 ――声優さんをきっかけに、もっとアニメ業界に興味を持ってほしいですか? (クリエーターの)皆さんのおかげでアニメーションが作られています。僕ら声優は最終段階の声を吹き込む、キャラクターに命を吹き込むというお仕事です。アニメを完成させている人たちは他にいっぱいいるので、その人たちがもっとピックアップされるとうれしいなと思います。海外とかのイベントに行くと、クリエーターたちがものすごく人気なんですよね。日本もそうなってくれるとうれしいなと思います。
■アニメ『Helck』“最初はギャグアニメかなと思った”
アニメ『Helck』(毎週火曜日深夜放送中)は人類を滅ぼそうとする“謎の勇者”ヘルクの冒険を描いたファンタジー作品。魔界の帝国四天王・ヴァミリオとの出会いを中心に物語が進むにつれてヘルクの過去が明らかになっていきます。 ――アニメ『Helck』の見どころは? 変な人たちがいっぱい出てくるギャグ漫画、ギャグアニメかなと思って見ていたんです。ところがちょっと先に(ストーリーが進んで)いくと、主人公のヘルクの過去の話とかになって、「あれ?これって同じ作品なの?」っていうような展開になっていく。そこがもう胸アツでとても面白かったですね。 ――どのように役作りをしましたか? 本当に思っている心情とかっていうのは、その絵で表現してもらえればいいかなと思っています。だから、僕はあまり難しいことを考えずに“朗らかなヘルクでいようかな”っていう役作りでしたね。自分ができないところっていうのは、他のスタッフさんが表現してくださると思っているので、みんなで一人のキャラクターを作っていくみたいな。感覚的には僕はあくまでも声を担当っていう感じですね。俳優とかと違って、僕たちがいくら表情とか動きでお芝居してもそれは一切(アニメには)のりません。皆さんが目にする視覚的な部分はアニメーターが一生懸命、いろんな表情を描いてくださったり、動きを表現してくださったりしているものなので、一人で全部はできないんですよね。アニメーションって。