花澤香菜、神谷浩史、黒沢ともよ(写真左から)

声優の黒沢ともよ、花澤香菜が、7月27日に都内で開催された「劇場版モノノ怪 唐傘」公開記念舞台あいさつに登場。同じく声優を務める神谷浩史、梶裕貴、福山潤、主題歌を担当するアイナ・ジ・エンド、そして中村健治監督と共に収録エピソードなどを語った。 【写真】黒沢ともよが爽やかに好演！大奥でキャリアアップを図る新人女中・アサのキャラクタービジュアル ■「モノノ怪」が17年の時を経て映画化 同作は、高視聴率を記録した「怪～ayakashi～」(2006年、フジテレビ系)の一編「化猫」から派生し、2007年に放送されたテレビアニメシリーズ「モノノ怪」の劇場版。謎の男・薬売り(CV：神谷)が、人の情念や怨念が取り憑いたモノノ怪による怪異を鎮めるため、諸国を巡る物語。CGと和紙テクスチャーを組み合わせた斬新な手法で生み出された絵巻物のような唯一無二の世界観と、薬売りのミステリアスな魅力は視聴者をひきつけ、放送以来根強く愛されている。17年の時を経て劇場版となり、男子禁制・豪華絢爛(けんらん)な大奥を舞台にした新たな物語が展開される。 もともと「モノノ怪」シリーズが好きだったという黒沢は、今回演じた新人女中・アサ役について「(大奥の新人女中で同期の)カメと2人で一つの役。カメが感情的なところをたくさん担ってくれたので、それに対してアサはどうしようかな、っていうところで。人間関係のことで言うと、すごく写実的と言いますか、肉感的な描写もあれば非常にファンタジックな描写もありますので、そこら辺のさじ加減は監督の顔色をちょっとずつうかがいながら楽しくやらせていただきました」と収録を振り返る。 その上で「見てくださった皆さんは分かると思うんですけど、やっぱり薬売りさんがカッコイイ姿に変わってからは空間の歪み方が半端ないので、距離感みたいなことはアフレコのときに苦労した記憶があります」と、アフレコで苦労した点を明かした。 一方、アサの憧れの職位「御右筆」を担う女中・北川を演じる花澤は、ネタバレ要素の強いキャラクターということで「取材も一切受けていなかったので、(劇場公開されて)やっと今日お話できるという感じですね」とニッコリ。 ■黒沢とのアフレコに「ウキウキで行ったんですけど…」 そして、仲良しの黒沢との収録ということもあり「ともよちゃんとは親しくさせてもらっていたので、ウキウキで収録に行ったんですけど、あんまり(黒沢が演じる)アサちゃんと会話しているようにならないようにしたいなと。不気味さもちょっと意識しながらやっていて。ともよちゃんは『距離感を意識した』と言ってましたけど、私はあんまり距離感をとらないようにしながらしゃべっていましたね。それが難しかったかな」と打ち明けた。 それを受けて、黒沢はアフレコ時のことを「いつもの優しい香菜ちゃんがいなくて…すごく寂しい気持ちに。でも、人としゃべっているのにどんどん寂しくなっていく気持ちってアサも不思議と感じていたのかな、なんていうのが重なって。孤独を感じながら幸せも感じていました」と役と思いをリンクさせながら振り返ると、花澤は「そうだったんだね。でも、芋けんぴがね(笑)」と返し、黒沢は「そう！香菜ちゃんがおいしい芋けんぴを買ってきてくれて。芋けんぴをかじりながら録りました」と笑顔で述懐していた。 「劇場版モノノ怪 唐傘」は全国公開中。 ◆取材・文・撮影=森井夏月