「靖国落書きに不可欠な役割」中国籍の男に懲役8月の実刑判決 東京地裁
靖国神社(東京都千代田区)の石柱が落書きされた事件で、礼拝所不敬と器物損壊の罪に問われた中国籍の姜卓君被告(29)の判決公判が25日、東京地裁で開かれ、福家康史裁判官は「犯行に不可欠な役割を積極的に果たした」として、懲役8月(求刑同1年)の判決を言い渡した。 【写真】赤いスプレー塗料で「Toilet」。落書きされた石柱 判決理由で福家裁判官は、落書きの計画や実行は共犯者の董光明容疑者=礼拝所不敬と器物損壊の疑いで逮捕状=が担ったものの、被告は落書きに使うスプレーの購入や現場の下見などをして、犯行を円滑にさせたと指摘。董容疑者と比べると責任は軽いとしても、「被告の役割は大きい」と述べた。 被告は公判で落書きは東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に反対の意見を示すためだったと主張していたが、福家裁判官は「自らの主張のために違法行為をするのは許されない」とした。 福家裁判官は、石柱の修復に高額の費用がかかるにもかかわらず、被害弁償がされていない点などから「刑の執行を猶予するのは困難」として、実刑判決を下した。 判決によると、被告は董容疑者ら2人の中国人の男と共謀して、5月31日午後10時ごろ、靖国神社の神社名が刻まれた「社号標」に赤いスプレーで「Toilet(トイレ)」と落書きし、礼拝所に不敬な行為をした。