奥秩父の美しい紅葉

　埼玉県秩父（ちちぶ）市は、荒川支流の清流や山々に囲まれた自然豊かな地域。都心から西武秩父駅までは特急で最短約80分と、東京から日帰りできるスポットとして人気が高い。 ■【画像】びっしりと紅葉に覆われたV字の谷を流れる川を見下ろす「大血川渓谷」はまさに絶景! 真っ赤なモミジに映える白い「三ツ鳥居」三峯神社も素晴らしい（写真をすべて見る） 　また、秩父盆地より西の険しい山地は「奥秩父」と呼ばれ、見事な紅葉が楽しめる。 　今回は、奥秩父の紅葉スポットを散策した体験をレポートする。

■奥秩父の紅葉名勝地、「大血川渓谷」

　大滝地区にある「大血川（おおちがわ）渓谷」へのアクセスは、車の場合は西武秩父駅から約25分、公共交通機関を利用する場合は秩父鉄道・三峰口（みつみねぐち）駅からバスで大陽寺（たいようじ）入口バス停で降り、徒歩5分ほど。 　大血川渓谷は、「金蔵落（きんぞうおと）しの渓流」付近をはじめ、紅葉の名所として知られる。「金蔵落し」は、あまりにも綺麗な渓谷の景色に旅人が思わず身を乗り出して谷底を覗き込み、懐（ふところ）に入れていた金蔵（財布）を落とす人が多かったことに由来するという。 　秋にはモミジやカエデ・ナナカマド・ブナ・ツツジなどが鮮やかな赤や黄に色づき、例年10月下旬頃から11月中旬頃にかけて紅葉の見頃を迎える。 　また、金蔵落しの渓流から徒歩約5分の、大血川渓谷を望む「大血川橋」からは、美しい川の流れと秋一色に染まった山々の絶景を楽しめる。筆者は周辺を散策しながら、紅葉の写真撮影を思う存分楽しんだ。 大血川渓谷 住所　〒369-1901 埼玉県秩父市大滝

■関東最強クラスのパワースポット「三峯神社」

　関東一のパワースポットともいわれる三峯（みつみね）神社は、奥秩父の標高約1,100mに位置する。大きな鳥居の両脇に小さな鳥居が並んだ、全国でも珍しい形の「三ツ鳥居（みつとりい）」がある。鳥居の両側には神様の使いとされるオオカミが鎮座している。また、樹齢約800年の御神木があり、みなぎっている強力な“気”をいただけるとされていることも、最強級のパワースポットともいわれるゆえんだ。 　大血川渓谷からは車で約35分、西武秩父駅や三峰口駅からは三峯神社までのバスが出ている。 　駐車場付近から参道を中心に、美しい紅葉を見ることができる。例年、見頃は10月下旬から11月上旬頃。 　参道を進んで行くと右側に階段があり、上った先には「遥拝殿（ようはいでん）」がある。「妙法ヶ岳（みょうほうがたけ）」山頂にある三峯神社の奥宮（おくみや）を遙拝（遠くから拝む）することができる場所だ。 　ここからは奥秩父の景色が見渡せる。モヤに包まれた山々は水墨画のようで、とても神秘的だった。筆者が訪れたとき、遥拝殿付近のモミジの多くはすでに散っていたが、モミジの絨毯を楽しむことができた。 　極彩色の彫刻で飾られた荘厳な拝殿はもちろん、遥拝殿からの景色もぜひ堪能してほしい。 　三峯神社のお守り、「氣守（きまもり）」は勇気・やる気・元気を授かるという。以前、毎月朔日（ついたち:月の一番初めの日）に頒布（はんぷ）される「白い氣守」が話題になった。県外からも人が殺到し、周辺道路が大渋滞になったため、2018年から頒布が休止されている。三峯神社の人気の高さが伺えるエピソードだ。 三峯神社 住所　〒369-1902 埼玉県秩父市三峰298-1 電話　0494-55-0241（9:00～16:00）

■奥秩父で紅葉を楽しもう

　ここまで、奥秩父のおすすめ紅葉スポット、大血川渓谷と三峯神社について紹介した。ぜひ、自然豊かな秩父で美しい紅葉を楽しんでほしい。 ※この記事の情報は2024年10月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。 芹川 ヨーコ（せりかわ よーこ） トラベルライター。愛知県在住。国内外問わず旅がライフワーク。特に離島へふらりと行きがち。 シュノーケリングでウミガメやイルカと泳ぐこと、ご当地グルメ、温泉を楽しむことが好き。