ジョージ・クルーニー

監督と主演を務めた最新作『The Boys in the Boat』をプロモーション中のジョージ・クルーニーが、『Deadline』のインタビューで亡き友人マシュー・ペリーについて振り返っている。2人は若い頃からの友人で、同時期にハリウッドで成功したが、クルーニーはペリーが破滅するのを痛ましい思いで見てきたと言う。 【写真】2023年に亡くなった著名人を偲ぶ、メモリアルアルバム

NYにあるドラマ『フレンズ』の撮影で使われたアパートには、マシュー・ペリーへの花束やメッセージが多く寄せられた。

「マットと出会ったのは16歳の時。よく一緒にパドルテニスをしたものさ。彼は僕より10歳くらい若かった。優秀で、とびきり愉快な子どもで、僕やリチャード・カインド、グラント・ヘスロヴに『僕はホームコメディに出たいんだ。連続ホームコメディに出られたら僕は世界一の幸せ者さ』とばかり言っていた。実際にその分野で最高の役者になった」とクルーニー。 1994年、クルーニーは『ER緊急救命室』で、ペリーは『フレンズ』でデビューし、瞬く間に有名になった。「僕らは撮影スタジオが隣同士だった」 だが、ペリーは子どもの頃の夢を実現させたにもかかわらず、満足してはいなかったとクルーニーは言う。「彼は幸せではなかった。喜びや幸福、平穏を手に入れられなかったんだ」

1998年に撮影。左から、マーク・ウォールバーグ、マシュー・ペリー、サルマ・ハエック、ジョージ・クルーニー。

大人になってから、ほとんどずっとドラッグとアルコール依存と闘っていたペリーは、10月28日、自宅で死亡しているのが発見された。ロサンゼルス郡検視局の調査ではケタミン（医療用麻酔薬）による急性作用が死因だった。ペリー自身は酒を断つことができなかったが、依存症を克服しようとする人々の支援活動を熱心に行っており、死後にその意志を受け継いでマシュー・ペリー財団が設立された。 「僕らはワーナー・ブラザースで隣り合って仕事をしていたから、見るのがつらかった。彼の中で何が起こっているのか分からなかったからね。彼は幸せじゃないということだけは知っていたけど、1日にバイコディン（麻薬性鎮痛薬）を12錠飲んでいたとか、彼が言っていたような痛ましいことをしていたなんて思いもよらなかった」 ペリーは2022年の回想録『Friends, Lovers, and the Big Terrible Thing』でこうした事実を明かしていた。 「成功や富を得れば自動的に幸福になれるわけではないということだ。自分自身と人生に満足していなければダメなんだ」と、クルーニーはまとめていた。