豊洲市場の施設を都が公開 主要棟の建築工事はほぼ完了
THE PAGE
東京都は30日、豊洲市場の見学会を開き、水産卸売場棟や水産仲卸売場棟、青果棟などの主要施設を報道関係者に公開した。 移転直前に浮上した「豊洲」欠陥問題 本当に大丈夫なのか?
スロープの安全性「PTの結果踏まえる」
豊洲市場は、当初予定通りなら11月7日に築地市場から移転し、オープンするはずだったが、8月に就任した小池百合子知事が移転延期を決めている。都によると、豊洲市場は一部を除き、主要棟を含めて建築工事は完了。業者が入店する施設の工事は、ほぼ5割が終わっているという。 この日は集まった79人の報道陣を4グループに分けて、職員が各グループを案内し、説明を行った。
水産仲卸売場棟では、小型運搬車のターレが1階と4階の間を行き来できるように設置されたスロープを公開。上り2レーン、下り1レーンの計3レーンが設置されている。 カーブが急で曲がり切れないとの指摘もあるターレスロープ。都の説明によると、ターレの通る幅は90~110センチなのに対し、レーンの幅は155センチないし165センチ。安全性の確保は可能かとの記者の問いに、担当者は「設計上、必要な検討は行われた」と強調した上で、「市場問題プロジェクトチームで行われている検証結果を踏まえねばならない」と述べるにとどめた。
仲卸店舗の1店舗あたりの面積については、「築地の7.2平方メートルに対し、豊洲は8.3平方メートルとこちらの方が広い」と説明。一方、店舗エリアはターレが走る通路が碁盤の目のように配されており、場所によっては見通しの悪そうな交差点もあるように見えた。都では、実際に使用する事業者と協議し、必要に応じてルールを定めて物流の安全性を確保するという。
水産卸売場棟では、トラックが積み降ろしをするバースや卸売場、水産仲卸売場棟との連絡通路などを案内。青果棟では、1階の卸売場と仲卸店舗、屋外にある地下水管理システムの排水施設などを紹介した。 (取材・文:具志堅浩二)