『虎に翼』の“名シーン”ベスト5。3位は「父・直言の懺悔」。涙なしに見られない1位は
NHK連続テレビ小説『虎に翼』が4月からスタートして早3カ月。いよいよ折り返し地点です。女性で初めて法曹界で道を切り拓いていく寅子(伊藤沙莉)の物語はあまりにも密度が濃く、まだ半分とは思えないほどの大反響を呼んでいます。 【画像】朝ドラ『虎に翼』名シーンベスト5 前半の3カ月だけでも本当に数多の印象的なシーンが描かれてきました。なかでも筆者が特に好きなエピソードを勝手にランキングします。 ※以下『虎に翼』6月28日放送分までのネタバレを含みます。
5位:花岡が見せてくれた“男性の生きづらさ”(第19話)
女性への不平等感や差別にスポットが当たることの多い本作ですが、一方的に男性を悪者にしない部分も秀逸。男には男の生きづらさがあることも描いています。その際たる例が、花岡悟(岩田剛典)ではないでしょうか。 学友とのハイキングで、梅子(平岩紙)の家庭問題をきっかけに花岡と寅子は言い争いに。インパクト大のワイヤアクションで空中落下し、大けがを負ってしまいました。入院した花岡は「寅子を訴える」と息巻きますが、轟(戸塚純貴)に「愚か者!」とビンタされます。 その後花岡は、梅子に謝罪。仲間に舐められたくなくてわざと女性をぞんざいに扱ったり、帝大生に引け目を感じたり。女子部の面々を尊敬しているのに妬みや脅威を抱いていたこと、どの自分も“本当の自分”ではない葛藤を吐露しました。 「“本当の自分”があるなら大切にして」と梅子に励まされた花岡は、素直な涙を流します。そして花岡は、最後の最後まで“本当の自分”らしくあることを努力し続けていたのだと思います。
4位:#俺たちの轟 の想いに涙(第51話)
そんな花岡と共に過ごし、ときに叱咤激励してきた轟にも葛藤がありました。轟は戸塚の熱演もあり「#俺たちの轟」というハッシュタグが生まれるほど愛されているキャラクターです。 花岡が餓死という非業の死を遂げたことを知った轟は、路上でやけ酒を煽っていたところで、よね(土居志央梨)と再会。よねが轟へ、「(花岡に)惚れていたんだろう」と声をかけたときは驚きました。轟は「俺にもよく分からない」と応えます。そして花岡が自分にとって、どれだけかけがえのない存在であったことを語り、轟の知る「真面目で優しくて、不器用が過ぎる」花岡らしい死を、大粒の涙で悼みました。 彼らの関係に名前をつけなくとも、男とか女とか関係なく、共に生きる同志としての尊さを感じたエピソードです。また、よねと轟が互いに歩み寄ったシーンでもあり、その後よねと轟は一緒に法律事務所を営むことに。このシーンがあったからこそ、ふたりが共に歩んでゆく姿をみると今も胸が熱くなります。