土井宏明氏のアート展、開催中。キャンバス、アルミ板などSFの世界観をプリント
リドリー・スコット監督の名作映画『ブレードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(フィリップ・K・ディック著/ハヤカワ文庫)のアートワークを手がけた、土井宏明氏の初の個展「OFF WORLD」が神保町「QUIET GALLERY TOKYO」で開催中です。 【全画像をみる】土井宏明氏のアート展、開催中。キャンバス、アルミ板などSFの世界観をプリント SFファンならずともこの装丁を一度は目にしたことがある人は多いかも。今回の展示では、フィリップ・K・ディックのSFシリーズを基軸にした46点のイメージグラフィックが展示されています。
ギズモード・ジャパンと土井宏明
CDジャケットをはじめ、ロゴデザイン、パッケージデザインなどを手がけるアートディレクター・土井宏明氏。多方面で活躍する同氏だが、特筆すべきは、アメリカのSF作家フィリップ・K・ディックの作品に基づくアートディレクション。 なかでもディックの代表作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、装丁はあまりにも有名。 そして、ここで付け加えておきたいのが土井氏は、「ギズモード・ジャパン」のグラフィックデザインも手がけているということ。 ギズモードがこれまで追求してきたテクノロジーの最前線と、ディックの作品世界に深く根ざしたアート作品に共通して見られるのは、「未来をどう想像するか」。そんな問いなのかもしれません。
SFネタを詰め込んだ個展「OFF WORLD」
本個展にて展示されているのは、アナログとデジタルが混在する、まさに現代の映し出すような全46作品。 一方には、シルクスクリーンで制作された多彩なカラープリントのキャンバス作品が展示。 対をなすように対面の壁面には、アルミ板やホログラムシートにプリントされた作品がディスプレイされています。 メインビジュアルに採用された「Lucky Sheep」には、SFファン垂涎の由来が。前述の小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の舞台は、第三次大戦後、放射能灰に汚された地球が舞台。 そこでは生きた動物を飼っていることは地位の象徴と描写されています。ちなみに、主人公のリック・デッカードが飼う“愛羊”の名「Lucky Sheep」はフィリップ・K・ディックが実際に通っていたペットショップが由来だそう。 また、個展に冠した「OFF WOLRD」はさらにディープなSFネタが(ここまで知っていればSFファンもお墨付き!)。映画『ブレードランナー』のワンシーンでわずかに映る、アドバルーンのような巨大な宣伝ドローンに書かれた「OFF WOLRD」の文字を土井氏は見逃しませんでした。 この言葉が意味する「異世界(OFF WOLRD)」はそう遠くない未来のことなのか、あるいはまったく異なる惑星を表しているのか、ギャラリーで確かめてみて。 「OFF WORLD」概要 アーティスト:土井宏明 会期:2024年6月14日(金)~7月14日(日) 開催日時:木曜日から日曜日 会場:QUIET GALLERY TOKYO(東京都千代田区神田神保町1-52-12) 問い合わせ:QUIET GALLERY TOKYO Source: QUIET GALLERY TOKYO Photo: 編集部
山田卓立