ウィーン・フィルの創設者、オットー・ニコライが手がけたオペラとは【クラシック今日は何の日?】
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
ニコライ オペラ『ウィンザーの陽気な女房たち』 ウィーン・フィルの創設者が手がけたオペラとは
今日5月11日は、ドイツの作曲家で指揮者、オットー・ニコライ(1810~49)の命日です。 わずか38年の短い生涯を駆け抜けたニコライの業績の1つが、メンデルスゾーンによるJ・S・バッハ『マタイ受難曲』復活蘇演への参加です。当時ベルリン・ジングアカデミーで学んでいたニコライは、1831年6月27日に行われたこの歴史的コンサートにおいて、イエス・キリスト役を務めています。 さらに注目すべきは、ウィーンのケルントナートーア劇場の楽長に就任したニコライが、1842年3月に、「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」の前身である宮廷楽団員の自主演奏団体「フィルハーモニー・アカデミー」による最初の演奏会を催したことです。 “楽団員による自主運営”の伝統は、今もウィーン・フィルの特徴です。そのニコライが手がけたオペラ『ウィンザーの陽気な女房たち』は、シェイクスピアの同名の喜劇を題材とした名作です。1849年の初演に先立つ1847年4月1日には、自らが創設したウィーン・フィルによって、作品の抜粋及び序曲が演奏されています。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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