みんな大好き『町中華』生き残り策あの手この手 コロナ禍後も続く客減少に相次ぐ高騰が追い打ち=静岡県
静岡放送
ラーメンにチャーハンなど人々を惹きつける「町中華」。新型コロナの影響で閉店する飲食店が相次ぐ中、静岡県内の店では愛される味を守るためさまざまな取り組みを続けています。 【写真を見る】みんな大好き『町中華』生き残り策あの手この手 コロナ禍後も続く客減少に相次ぐ高騰が追い打ち=静岡県 昔ながらの醤油ラーメンが人気の店、静岡市葵区の第二美濃屋です。創業から105年続く店がこの春、大きな転換点を迎えました。店主の岸本一弥さんです。 <第二美濃屋 岸本一弥店主> 「前職は福祉関係の仕事を5年ほどやっていて、新しいことにチャレンジしたいというのも人生の目標でした」 岸本さんは2023年の冬、常連客だった知人から経営難の話を聞き、店の引継ぎを決断。2024年3月、「第二美濃屋」の名前を残したまま法人化しました。 <週5で通う常連客> 「うまい」 醤油ラーメンの味は変わりません。 <週5で通う常連客> 「この味は、本当に腕が上がったと言ったらよいしょになるけど、岸本さんが一生懸命だよな」 <第二美濃屋 岸本一弥店主> 「私が作った料理で笑顔になってもらえるので、そこがすごく励みになって、毎日勉強させてもらっている」 コロナ禍以降、外食をする人が戻り切らず、飲食店は大きな打撃を受けています。東京商工リサーチによりますと、2024年、静岡県内ではすでに12件の飲食店が倒産。 コロナ禍に受けた融資の返済に追われる店も多く、今、業界全体が正念場を迎えています。 <山口駿平記者> 「常連客の力を借りて、生き残りを図ろうとする老舗のお店もあります」 創業70年の「とんとん」です。2年ほど前から調理器具の老朽化が深刻になってきました。 <とんとん 諏合成美店主> 「中の火はもう点かないんですよ。ガス漏れしちゃってて。この真ん中は全部焼けちゃってダメです。これはもう点かないです。焼けちゃって詰まってるもんだから出ないです」 修理費用は約300万円。物価高も追い打ちとなり、閉業を考える中、始めたのがクラウドファンディングです。常連客からの提案でした。 <とんとん 諏合成美店主> 「こういうのがあるからやってみないかという話で、その方(常連客)が絶対にお店を閉めちゃだめだからやれることはやってよって。お金が集まれば、またここをきれいにして、あと10年15年ってやっていけるのかもしれない。皆さんに応援してもらっている」 2024年10月にスタートし、これまでに約60万円が集まりました。返礼品は自慢の中華料理です。 <常連客> 「この味がなくなるのはもったいない」
コロナ禍の爪痕が残る飲食業界は今、さまざまな挑戦を続けています。
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