「原爆による少女の影」はCGで作った画像【ファクトチェックコラム】
判定
今回拡散した画像は、原爆の熱線によってできた影ではなく、CGで作られているため、実際の画像ではありません。しかし、原爆の悲惨さを訴える作品としては「本物」で、価値を持つものです。こういったものは「ファクトチェック」の検証に馴染まないため、判定はしませんでした。 ただし、こういったアート作品を事実と誤認して拡散すると、歴史が誤って伝わることにもなりかねないため、取り上げました。
あとがき
広島と長崎に投下された原爆によって、1945年末までに計約20万人以上の命が奪われたこと、その後も多くの人々が苦しんだことは事実です。 戦後79年が経った今、戦争や被爆の体験をどう未来へ繋ぐかは大きな課題です。その出来事を知った人が生み出した作品は、解決策の一つかもしれません。 Slone氏は、JFC の取材に対してこう答えています。 「この作品を作った2002年当時は、インターネット上に誤情報やフェイクニュースがこんなに現れるとは思ってもいませんでした。私のウェブサイトが『この画像は実際に存在する』という誤解を払拭するのに役立ったことを知って嬉しく思いました」 今回、JFCは作品の価値を否定するために検証したわけではありません。現実そのものではない作品にも歴史を伝える価値があります。しかし、それが現実のものと誤認されて拡散すると、誤情報になりうることには注意が必要です。 検証:宮本聖二 編集:古田大輔、藤森かもめ、野上英文 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。検証記事を広げるため、X、Facebook、YouTube、Instagramでのフォロー・拡散をよろしくお願いします。