今年の巨人は『一軍で通用する!』新人投手が増えた! 西舘勇陽は『Vの使者!』であり又木鉄平は『掘り出し物!』【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
西舘のクイックは真似してはいけない 森田は新人離れした落ち着きと貫禄
巨人の投手陣は着実に層が厚くなっている。ドラフト5位ルーキーの又木も十分に一軍戦力となるはずだ
今年の巨人はピッチャーのレベルが高くなった。映像で春季キャンプのブルペンを見ていても、そのことが歴然としている。 新人の投球練習を見ていても、去年までならほとんど見当たらなかった「これなら一軍で通用するに違いない!」というレベルのピッチャーが、今年は目白押しだ。 その中で特に目についたのが、前号のこの連載でも俎上に上げさせてもらった、中大から支配下ドラフト1位で入団した西舘勇陽だ。背番号『17』を着けたエース候補生の投球フォームは、左足を素早く上げることが特徴である。評論家やマスコミは、「スーパークイック!」などと大見出しを立て大騒ぎしているけど、ハッキリ言ってあの投げ方はクイックではなく、セットポジションから早いテンポで投げているだけ。要するにムダな動きさえなくせば、誰でも西舘のような投球フォームになるということ。 俺は、西舘が学生時代にコントロールが悪くて制球力を良くするために現在の投球フォームにたどり着いたのではないかと、推測している。 普通ならあの投げ方だと、走者を出すと逆にテンポを崩してしまったり、ボールが抜けてしまったりすることが多くなるんだけどね。ところが、西舘はいつもタイミングよくボールに指が掛かっている。だから大崩れすることのないタイプのピッチャーではないかと思う。しかし、あの投げ方は、ほかのピッチャーに「真似をしろ!」とは言いたくないね。西舘独特の投球フォームだ。 力のある真っすぐのほかにゆっくりとしたカーブを投げる。このカーブはチェンジアップのような効果が期待できる。相手打者はクイック気味に投げてくる投球フォームと、チェンジアップのようにタイミングを外すカーブに手こずるに違いない。 西舘は・・・
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週刊ベースボール