オリックス集団指導! 160キロ剛腕・山崎颯一郎復活へ
オリックスは高知市内での秋季キャンプ第1クール2日目だった6日、岸田護新監督(43)を中心とした首脳陣が、山崎颯一郎投手(26)を〝集団指導〟した。今季7試合登板にとどまった右腕を復活させるべく、複数人体制で密着マーク。午後の個別練習では1時間以上に及ぶ指導を施した。 青空の下、首脳陣が山崎を囲うようにして目を光らせた。剛腕の復活を願うからこそ、指導にも熱が入る。日焼けで赤くなった岸田監督の顔には充実感がにじんだ。 「今、(山崎にとって)良い時間になっていると思うので、時間をかけながらやれたら」 始まりは山崎のブルペン投球後だった。岸田監督、厚沢1軍投手コーチ、牧野2軍投手コーチが右腕に歩み寄り、マウンドに対して垂直に立てていないという、軸のブレを指摘。午後の個別練習では監督と投手コーチ2人に加え、斎藤戦略コーチや水本ヘッドコーチらも立ち替わりで参加する〝集団指導〟へ。ワインドアップでのキャッチボールや低い体勢で助走をつけてのネットスローなどに取り組ませた。 身ぶり手ぶりを交えた密着指導は1時間以上にもおよび、指揮官は「(山崎は)体も大きいし手足も長いので、ちょっとしたズレがみんなよりも大きくなる。そこをもう一回、修正して」と説明した。 悩める右腕を救いたい、というのが首脳陣の総意だ。昨季は救援で自己最多の53試合に登板し、チームの3連覇に貢献。今季もセットアッパーとして期待されたが、背中を痛めた影響もあって7試合の登板にとどまった。5月29日に戦線離脱して以降は再昇格はなく、最速160キロだった直球も復帰した2軍戦では140キロ台と影を潜めた。肉体改造で体重が過去最重量の97キロになったことや、けがもあって感覚にズレが生じていた。 山崎は「力はあるのに(球に)伝わっていない感じなので、すごくもどかしい」と心境を語り、岸田監督は「指にかかったボールを投げることを求めてやっていってほしい」と背中を押した。この日行われた青空教室は復活を期す男への期待の表れだ。(織原祥平)