なぜ韓国エンタメは日本の遥か先を行くのか?〈前Amazon製作責任者が明かす「大きな違い」〉
和田勉、倉本聰、山田太一……
これは今までの監督やプロデューサーにはできない仕事で、まさに「配信の時代」に生まれた新しい職業です。脚本家として経験を積んできた人々が多く、韓国にも、凄腕のショーランナーがいます。脚本家だけでなく、人気俳優もショーランナーのもとに集まる状況です。 日本のドラマの歴史を振り返ると、1950年代から1970年代までは「監督の時代」でした。和田勉さんのような個性豊かな監督が作家性を発揮して作品づくりを牽引していました。1980年代になると、今度は「放送作家の時代」がやってきます。『北の国から』の倉本聰さん、『ふぞろいの林檎たち』を手掛けた山田太一さんなど多士済々な作家たちが目立っていました。 やがて1980年代の後半からトレンディドラマが増え、“配信戦国時代”の前夜までは「プロデューサーの時代」が続いていたと思います。そして、動画配信が当たり前となった今は「ショーランナーの時代」へと突入しつつあるわけです。 韓国の後塵を拝する日本には、残念ながらこのショーランナーはまだわずかしかおらず、配信ドラマの世界標準から遅れをとっています。現代日本の女子高生が日本のドラマではなく、韓国ドラマにハマっているのは、至極当然のことなのです。 ◆ 本記事の全文は「文藝春秋 電子版」に掲載されています(「 配信ドラマは戦場だ! 」)。
早川 敬之/文藝春秋 2024年11月号