外国人観光客が日本のタクシーに乗って感動…!思わず「パーフェクト!」と発した、サービスの中身
タクシードライバーに見られる「変化」
世界で素晴らしいサービスのタクシーと言えば、これまではロンドンのブラックキャブが有名でしたが、最近では、東京のジャパンタクシーがブラックキャブのサービスを超えたのではないかと言われています。 【写真】衝撃…!タクシードライバーになった“辞めジャニ”の「苦悩と葛藤」 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催が決定し、東京のタクシー業界は世界中から訪れる観光客へのサービス向上のため、様々な改革を進めてきました。 まずハード面では、大きなトランクをお持ちの方や車椅子で乗車されるお客様への対応が可能なボックスタイプのジャパンタクシーが導入されました。開閉がスムーズなスライドドアで室内も広々、爆買いで大量のお土産を抱えた外国人旅行客にも十分対応できます。 また、後部座席についているモニターは、英語対応も可能で、様々な決済方法を選択できます。寒い日に便利なシートヒーターも備えたジャパンタクシーは、海外のタクシーで経験したことのない快適な移動空間を提供してくれます。 もちろん、車両が新しくなっただけではありません。それ以上にソフト面、サービスレベルの向上という点で目を見張る変化が起きているのです。 最近、ドライバーの接客対応の丁寧さに驚かれた方も多いのではないでしょうか? 東京のタクシードライバーの接客レベルが急激に向上した理由について、公益財団法人「東京タクシーセンター」総務部企画広報課の田邊奈緒美さんに話を伺いました。
「英語おもてなしコンテスト」の裏側
公益財団法人東京タクシーセンター(東京江東区)は、1969(昭和44)年に設立され、運転者の登録、指導、研修、苦情の処理、乗り場施設の設置や運営などの業務を行っています。 ――東京タクシーセンターでは、どのような研修が行われているのですか? 「新任のドライバーには、必修科目として法令、安全、接遇、地理についての講習を実施しています。さらにこの他に2012年からは、訪日外国人旅客へのサービス向上のため、『外国人旅客接遇研修』という、英語や中国語を使った接客応対の授業を実施しています。 現在、中国語に関しては入門クラスのみですが、英語は初級、中級、上級の3レベルを設け、中級を修了しないと、羽田空港タクシー待機所に設けられた『外国人旅客接遇研修修了者専用レーン(おもてなしレーン)』に入ることができません」 ところが、授業を受けるだけでは、英語が実際に仕事で使えるレベルなのか判断しにくいという指摘もあり、2016年から上級修了者向けに『外国人旅客接遇英語検定』が導入されました。 外国人講師を相手に、乗車から降車まで5分間のロールプレイングを行う試験です。当初は、2020年のオリンピックまでに500名の合格者を出す目標を立てていましたが、2019年12月には無事に達成し、2024年2月末現在で1404名が合格者しています。 合格者は、車体にマグネット式のECD(English Certified Driver)認定章を貼付することができ、羽田空港国際線ターミナルと東京駅八重洲口前に設けられた合格者専用レーンに入れるようになります。英語で接客ができるドライバーを予約したい場合は、東京タクシーセンターのHP上で、合格者の氏名、事業者名、お問い合わせ電話番号を公開しているそうです。 タクシードライバーが外国語の習得のために様々な努力を重ねていのは、あまり知られていませんが、現在、東京タクシーセンターで開催されている英語研修や検定試験は、応募者多数で毎回抽選となり、何ヵ月も待ちが出るほどの盛況ぶりです。 また、年に一度、学習を続けている運転者の成果を発表する場として『タクシー運転者英語おもてなしコンテスト』を開催しています。今年も11月に水天宮駅直結の東京シティエアターミナル内のT-CATホールで開催予定です。 こちらは、入場無料で一般の方も自由に見学可能。外国人旅客役の講師を相手に英語に自信のある運転者がロールプレイングを行います。観覧者からはレベルが高くて驚いたという感想がくるそうです(なお、第二回以降のコンテストの模様は、YouTubeチャンネルでも公開中)。