上海初の工業企業向け大規模な再生水利用プロジェクトがスタート
【東方新報】上海市では、汚水を資源として活用するための新たな取り組みが始まった。18日、上海で初めて工業企業を対象とした大規模な再生水利用プロジェクトが正式に稼働した。 この再生水はまず、中国船舶集団(CSSC)傘下の上海外高橋造船(Shanghai Waigaoqiao Shipbuilding)が建造している8600台収容の二重燃料自動車運搬船のドック内で、設備の冷却や船のドックアウト時に使用される予定だ。今後は、第2号の国産大型クルーズ船の設備調整やバラスト水、ドックでの浮揚作業にも再生水を活用する計画だ。 このプロジェクトは、上海城投(集団)(Shanhai Chentou Group)と外高橋造船が共同で進めるもので、両社は事前に締結した再生水利用協定に基づき、隣接する竹園第4期汚水処理施設から処理された再生水を導入し、船舶のバラスト水や工場の緑化用水、設備の冷却水として利用する。 処理された再生水は、専用のポンプステーションを通じてドックや埠頭に供給される。このシステムは、外高橋造船がピーク時に毎時1000トンの水を必要とする際にも対応できる能力を持っており、年間約70万トンの新水を節約できる見込みだ。これは、標準的なプール370杯分の水に相当する。 このプロジェクトは、企業が環境に優しい取り組みを実践し、グリーンで低炭素な発展や「廃棄物ゼロ都市」の実現を目指すものだ。プロジェクトの順調な進展は、再生水の新たな利用モデルを開拓し、船舶業界での水資源の節約に貢献する。また、給水構造の改善や水質汚染の削減、水のエコシステム保護にも役立つ取り組みとして、他の事例にもなる。 今後、上海城投と中国船舶集団は、再生水のエネルギー活用にも取り組み、水源ヒートポンプ技術を利用して造船所の食堂や浴室、オフィス、宿舎などに熱エネルギーを供給する予定だ。さらに、上海城投は外高橋発電所や他の再生資源センターとの協力プロジェクトも進めている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。