「するとどんどん力が湧きだして…」 103歳の哲代おばあちゃんが教える 人生100年時代を生き抜く秘訣
食べる力
食欲はすごいです。これが103歳かと思うくらい。 デイサービスは毎度、ごちそうを出してくれてんです。自分の好きなものが出ると気分が上がりますねえ。がつがつといただきます。十分に年をとっとるんだから、もう少しおっとり食べなさいって自分に言い聞かせております。 でもね、入院中は今までにないしんどさでした。心も体も空っぽになったようになって、よう覚えとらんの。食べられん、元気が出んの悪循環でした。じゃが病院で治療してもらううち、少しずつ調子が戻ってきたの。気持ちがはっきりしだして、ご飯の味が分かりだしたん。あ、まだいけるかもしれんって思えるようになりました。 やっぱり家に帰るっていう目標があると、体がしゃんとします。この年になると、気持ちで体を引っ張ることが多くなりますなあ。少々しんどうても、好きな物、食べたいと思うもんをしっかりいただく。食べんことには元気が補充できませんから。 退院してからしばらく弥生さんちでお世話になっておったんですが、畑でトウモロコシを育てよっちゃって、これが甘くておいしいの。「もう1本ようござんすか」なんて、居候のくせに厚かましくいただいておりました。するとどんどん力が湧きだして。おなかがすくようになったんでございます。 あら、そろそろ番茶の時間でございますなあ。一服しましょうか。あなたらラッキー。おいしいお菓子があるんでございます。
石井哲代,中国新聞社