ME:Iメンバー紹介第5回:山本すず ふわふわした雰囲気と軸のしっかりしたパフォーマンス
昨年12月16日に最終回を迎えたオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』(以下、日プ女子)。 【画像】デビューを掴み取った山本すず 17歳の山本すずは最終順位5位を獲得し、「ME:I」(ミーアイ)としてデビューすることが決まった。 今回は、オーディション番組中での彼女の活躍ぶりを振り返り、グループの中でどのように活躍するかを予想する。 初回順位は1位だった山本。その理由はなんと言っても、テーマ曲「LEAP HIGH!~明日へ、めいっぱい~」で、多くの国民プロデューサー(視聴者)のハートを鷲掴みにした影響が大きいと考えられる。 まだ練習生の名前や経歴も、そこまで明るみに出ていなかったタイミングで公開されたテーマ曲。その映像で、山本は華やかなビジュアルと、曲に合わせてころころと変わる表情、人一倍はっきりとしたダンスで多くの人の目を奪ったのだ。実際、その様子はSNS上でも話題に。多くのオーディション経験者を抑え、山本が1位になったことに対しては、驚きと納得の声が上がっていたように思える。 その後、放送されたレベル分けテストの際は、曲が流れ出したタイミングで、瞬時にスイッチが入り、それまでのふわふわとした雰囲気を一変させたことでトレーナー陣を魅了。ラップトレーナーのKEN THE 390から「すずさんのスイッチが入った時、すごかった」というコメントを引き出したことが記憶に残っている人も多いのではないだろうか。
課題を乗り越えて身につけた芯のあるパフォーマンス
しかし、そんな山本でさえも順調に進んだわけではなかったのが、オーディション番組の難しさ。表現力に課題を感じる場面が時折見受けられた。 そのことが顕著に現れたのが、オーディション番組の中盤に行われたポジションバトルにおいてINIの「Rocketeer」を練習していた際。ダンストレーナーのYUMEKIから「表現力0」とはっきりと告げられる苦しい場面だ。この言葉を受けて、山本は自分を出しきれていないと自身のことを分析。踊りも歌も完璧に難なくこなしているからこそ、あと一歩、何かが足りないことを悩む姿が視聴者をももどかしくさせた。しかし、その困難を諦めずに乗り越えたのが山本の力強さだ。2回目のレッスンの際には、YUMEKIから「すずが特に良かった」と名指しで褒められる場面もあった。 また、コンセプト評価「&ME」での練習中には、熱望したセンターに選ばれることなく、悔しい思いを吐露する一幕も。しかし「TOXIC」グループに所属しており、同じくデビューメンバーとして選ばれた石井蘭から「センターじゃなくても私を見てと思ってパフォーマンスしている」と心持ちを伝授してもらってからは意識が一変。ポジションにこだわらず、視聴者の目を惹くスキルを倍増させ「&ME」のグループを牽引する存在を担っていた。 このような紆余曲折を経て、今や怖いものなしとなった山本。その魅力を挙げるなら、もともと幼少期からやっていたという空手で身につけた、しっかりとした体幹だ。妖艶な曲も、パワフルな楽曲も、かわいらしい振り付けも、芯を感じさせる。それは体幹がしっかりとしているがゆえだろう。 また、トーク中のふわふわとした雰囲気と、パフォーマンス中の曲に合わせた解像度の高い表現力というギャップも彼女の持つ魅力。オーディションを見ていた国民プロデューサーはもちろん、デビュー後に歌番組などで彼女を“見つけた”視聴者をも沼にハマらせる未来が容易に想像できる。 このような魅力から、山本がグループの魅力を底上げする存在として魅力を発揮すること間違いなし。今後、どのようなコンセプトの楽曲で、オーディション時に培った表現力を見せてくれるのか期待が高まる。
於ありさ