大関琴桜が初優勝、豊昇龍との相星決戦制す 尾花沢のPVでは大歓声!
大相撲の大関琴桜(27)=本名・鎌谷将且=が24日、福岡市の福岡国際センターで行われた九州場所千秋楽で、大関豊昇龍との相星決戦をはたき込みで制し、14勝1敗で初優勝を果たした。琴桜は佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若、尾花沢市出身)の長男。本県関係力士の優勝は鶴岡市(旧山添村)出身の横綱柏戸(本名・富樫剛)以来で、57年ぶり。琴桜は来年1月の初場所で綱とりに挑む。 琴桜は大関に昇進し5場所目、横綱を務めた祖父のしこ名を襲名してから4場所目で、飛躍の一年を賜杯獲得で締めくくった。優勝決定後には「まだ上があるから満足していない」と語った。横綱昇進には2場所連続優勝か、それに準じる成績が必要とされる。 この九州場所では3日目に王鵬に黒星を喫したが、4日目に若隆景を寄り切りで退けると、以降は宇良、阿炎などを下し、11日目には小結若元春に勝って白星を2桁に乗せた。12日目は関脇大栄翔、13日目は隆の勝を下し、14日目には大の里との大関対決を制して年間最多勝を確定させた。2003年以来となった千秋楽の大関同士の相星決戦では、豊昇龍の上手投げに踏ん張り、はたき込んだ。年間勝利数は66とした。
2015年11月の九州場所で初土俵を踏み、19年7月の名古屋場所で新十両。昨年9月の秋場所で新関脇となり、父の最高位に並んだ。今年3月の春場所から大関を務め、5月の夏場所で琴桜に改名した。 ◇ 尾花沢市悠美館では大型スクリーンを使った市主催のテレビ観戦会が開かれ、市民や佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若・尾花沢市出身)の同級生ら約60人が集まり「勝つぞ!」などと記した紙を手に琴桜関を応援し、初優勝に大歓声を上げた。 親方と幼なじみの同市新町1丁目、自営業古瀬文寿さん(56)は「自分の子どものことのようにうれしい」と喜びをかみしめ、「横綱を目指してほしい」と続けた。琴鎌谷当時からのファンという同市鶴巻田、農業折原直子さん(66)は25日が誕生日。「最高の誕生祝いをもらった。大きな体を生かした理想の取組。あと一歩で優勝を逃す悔しい思いをしてきた分、涙が出るほどうれしい」と笑顔で語った。