理想のキャンプカー選びは「SUV」と「ステーションワゴン」どっちがベター? ベテランキャンパーの最終回答とは
バンとして見られなくなったステーションワゴン
ステーションワゴンの場合、ベースとなる一般的なセダンや2ボックスタイプのクルマ(ワゴン専用車両も存在します)との違いが少なく、特別な運転スキルが必要になることはありません。乗用車の後部が拡大しただけで乗り味や視認性に戸惑うことはないはずです。もちろん、一般的なクルマが利用できる駐車場であれば問題なく使えますし、1550mmの制限がある機械式立体駐車場にも入庫可能。 最近はステーションワゴンが認知され、ひと昔前のようにライトバン(商用車)的な扱いを受けることもなくなりました。我が家の年老いた母には「あんた、ライトバンに乗って水道屋さんにでもなったのかい」と言われてしまいましたが……。
4WDを選べばSUVもステーションワゴンも大差なし
積載能力では車種や車両サイズによって差はありますが、SUVは荷室に高さがあるので荷物を高く積むことが可能です。奥行きでは意外にもステーションワゴンに分があることも多いようですが、どちらのタイプを選択しても一般的なキャンプ道具の量であれば十分に積み込むことができるはずです。よって、今回の比較ではスペース的な問題での差はほとんどなく、車両が持つボディ形状が大きな違いであり、駆動方式でも4WDのステーションワゴンを選べば差がなくなると言えそうです。 また、日本は舗装大国と言われ、道路の約82.5%、一般国道では99.5%が舗装道になっています。そのため、林道や悪路を通らずに辿り着けるキャンプ場も多く、好んで悪路を走らないのならFFやFRの二輪駆動車でも不便を感じることはありません。最近のSUVは「アーバンSUV」と呼ばれるモデルが主流となり、ひと昔前の武骨なクロカン4WDとは違ったスタイリッシュンなモデルが増えたことで、SUVとステーションワゴンの差がより小さくなっているのも事実です。
結論は自分が乗りたいクルマを選ぶべし
SUVはジムニーのような軽自動車ベースのSUVを選ばない限り、決して燃費の良いモデルは多くありません。アメリカ製のジープ・ラングラーやトヨタ・ランドクルーザーはリッター5kmは当たり前。逆にダウンサイジングエンジン化が進むステーションワゴンはリッター10kmオーバーというモデルも少なくありません。もちろん、ハイブリッドエンジンを搭載したモデルであれば、この値よりも燃費は格段に向上するはずですが……。燃料が高騰するこの時代、SUVかステーションワゴンで悩んでいるのなら「実走燃費」を選択条件のひとつとして加えることをおすすめします。 最後にジープからステーションワゴンに乗り換えたボクの個人的な見解ですが、ジープの燃費はエアコンを酷使した夏場では約5km/L(市街地)。乗り換えたステーションワゴンでは約12km/L(市街地)となり燃料代が大幅に軽減されました。しかし、ステーションワゴンは乗り味に刺激が少なく、高い位置から見渡せたSUVの視認性の良さが忘れられません。車高が高いSUVはルーフ上に載せた荷物が降ろしにくいというデメリットもありましたが、次に乗り換えるのであればまたSUVを選ぼうと思っています。キャンプを愛する人にとってSUVとステーションワゴンの両車は魅力的な存在であることは間違いありません。自分が乗りたいと思ったクルマに乗ることが唯一の正解であり、どちらを選ぶかは…あなた次第です。
ソトラバ編集部