防災袋に何入れる? 揥水地区で南海トラフ備え講話 三重・松阪
高齢者ら簡易トイレ作りも挑戦
三重県松阪市の揥水住民自治協議会(西村洋会長)は17日午前10時から、豊原町の櫛田地区市民センターでワンデイサロン(浅井廣喜代表)を開き、70~80代の地域の高齢者ら25人が「南海トラフ地震 その時私はどうする~避難する時なにを持って行く?~」をテーマに講話を聞いた。日ごろの備えや避難への意識を高めた。 同サロンは高齢者が毎月1回、気軽におしゃべりをする場所として始まった。毎回、健康づくりや地域の歴史などをテーマを変えて開き、今回は南海トラフ巨大地震への備えや避難する際に必要な準備について考えてもらおうと計画。防災ボランティア「春告鳥(はるつげどり)」代表の三浦洋子さん(55)が講師を務めた。 三浦さんは「自分の命を守るのは自分しかいない。誰かに頼るのではなくまず自分自身ができることは何だろうと考えて、実践につなげてほしい」と強調。「能登の地震が起こって何か準備しましたか。した人は他人事ではなく自分事として考えられる人」と続けた。 防災リュックの中に最低限入れるものとして笛、氷砂糖、非常用トイレ、薬などを挙げ「優先順位は避難所に無いもの。誰かに分けてもらうことができない薬は最低3日から1週間分用意してほしい」と呼び掛けた。 さらに「思い出の縫いぐるみやペットの写真など自分の大事なものを持って行くと、踏ん張りたいときの心の支え、生きる力になる」とアドバイスした。 その後、参加者たちは一斗缶を使った簡易トイレ作りに挑戦。缶の開口部をすっぽりビニール袋で覆い、用を足した後は凝固剤を入れて固めて捨てることを学んだ。三浦さんは、一般的な凝固剤には3回分の尿を固める力があるとしつつ「衛生上、他人と使い回しはしない。災害時はルールを守ることが大切」と指摘。凝固剤がない場合は猫砂や、細かくちぎった新聞紙にも吸水効果があり代替できるとした。 池田潤子さん(74)=豊原町=は「自分なりに準備できたらと思い参加しました。トイレは用意しておくべきだと思いました」、松尾まつさん(81)=同=は「能登の震災の時に阪神淡路のときに作った防災バッグを調べて、期限切れの食材を食べて新たに補充しました。今日は来て良かった。トイレの準備もしたい」と話した。