仕事を見つけに来ないか-NY市の移民にカンザスシティーからの誘い
(ブルームバーグ): ニューヨーク市にやって来た移民たちにミズーリ州カンザスシティーのルーカス市長がメッセージを送っている。一時的な滞在施設(シェルター)を出て、われわれの所に来て働いてほしいと。
ミズーリ、カンザス両州にまたがるカンザスシティー都市圏は人口220万人を有し、建設業と製造業の活況に沸いている。パナソニックホールディングスのバッテリー工場建設には2000人が必要との地元労働団体による試算もある。
「フェイスブック」のメタ・プラットフォームズとグーグルを傘下に置くアルファベットは、合わせて20億ドル(約3100億円)近くをこの地域の新施設に投じつつある。地元の開発グループによれば、ここ5年で企業が発表した投資は総額90億ドルに上る。
地元経済が急成長を遂げるカンザスシティーでは、労働力不足が深刻化。ルーカス市長は、そうした問題の解決に向け、労働許可証を持つ移民が一助になるのではないかと考えている。
同時にそれは、中南米からかつてないほど流入してくる移民へのシェルター提供など受け入れコストが膨らんでいるニューヨークのような大都市の負担軽減にもつながり得る。
カンザスシティーの経済は、フォード・モーターやゼネラル・モーターズ(GM)の工場や大規模な食品製造業を中心とした産業が基盤で、ブルーカラーの労働者にとって特に魅力的だ。建設ブームの中、ミズーリ州とカンザス州の建設会社の70%余りが、十分な人手を確保できないと調査に答えている。
ルーカス市長は「もっとずっと多くの働き手が必要だ。働く意欲があり準備ができていれば、その場所はあるだろう」と言う。
カンザスシティーに来て働く意欲のある移民を特定する方法について戦略を練るため、ルーカス市長はニューヨークとコロラド州デンバーの市長と連絡を取り合っている。デンバーにも移民が殺到している。
ルーカス市長は5月27日のメモリアルデー後に、カンザスシティーでの新たな移民受け入れ能力が分かるだろうと説明。