平日の救急出動増対応、釧路市消防本部「レタラ隊」運用開始
北海道釧路市の釧路市消防本部(遠藤睦男消防長)は8日、増加する救急需要に対応するため、平日の日中のみ運用する「レタラ救急隊」を創設。同隊が配置される市中央消防署で運用開始式典が開かれ、市民らに概要説明やデモ救急活動を披露した。 7隊から8隊体制に 同本部(白糠町除く)では近年、救急出動件数が増加傾向となっており、2023年は過去最多となる1万1017件の出動があった。これに伴い、遠方の消防署からの出動が増加。昨年の現場到着(現着)時間が約10分と、10年前の13年(出動件数8914件)と比べ、約1・8分延伸していることなどから、41年ぶり(市の合併時を除く)に救急隊を増やし、救急体制の強化を図ることとした。 レタラ救急隊は、これまでも同本部で救急隊員として活躍してきた、隊長の菖蒲田幸助さん(46)、松本光央さん(40)、藤森大さん(33)の3人で組織し、中央署内に配置。これまで特に出動件数が多かった、月~金曜日(祝日、年末年始を除く)の午前8時50分~午後5時20分に運用される。市内の救急体制は7隊から、同隊運用時間帯は8隊となり、現着時間の短縮や当直する救急隊員の負担軽減などが期待されている。 「レタラ」はアイヌ語で「白」を意味し、新設部隊が真っ白な状態からスタートすることなどから命名された。1~5日に行われた試験運用では13件の出動があり、実際に現着時間の短縮につながったという。今後は1日4~5件、年間1000~1200件ほどの出動を見込んでいる。 式典で蝦名大也市長は「市民が安心安全に過ごせるまちを目指すに当たって消防行政は重要な役割を持つ。今後も力を入れていきたい」と式辞を述べ、遠藤消防長が「市民のかけがえのない命を救うため、レタラ救急隊の運用を開始します」と宣言。同隊の概要説明やデモ救急活動が行われた。 菖蒲田隊長は「市民の皆さまの下へ、いち早く向かう覚悟を持って活動していく」、松本さんは「レタラ救急隊がいてよかったと言われるように頑張りたい」、藤森さんは「他の署や隊員とも連携をしっかり取り、多くの人に必要とされる隊となりたい」と抱負を語った。
釧路新聞