27歳・独身男性「親戚から『外貨建て保険』や『医療保険』を勧められているが、加入すべきか」⇒お金のプロ、〈保険より有利な制度〉を回答
あらゆるリスクが小さい「20代後半独身」のケース
---------------------------------------------------- 【悩み】 『好きなことができる自由を満喫しています。ただ、将来は結婚したいし、子どものいる家庭にも憧れます。親戚のおばさんからは「外貨建て保険」や「医療保険」を勧められているんですよ。社会人としての常識だとか、老後のことも考えておけとか。保険は気にしてなかったので、よくわからなくて。おばさんのアドバイスに従えばいいのかなあ。』(27歳男性・独身、会社員、一人暮らし) ----------------------------------------------------【回答】保険で備えるより、有利な積み立て制度を活用 保険を検討する前に、まずは現在、将来のリスクについて考えてみましょう。いまは独身で、扶養している家族はなしという状態です。もし、あなたが亡くなっても経済的に困る人がいないなら、死亡保険は必要ありません。 入院や病気に関しても、健康保険のおかげで、自己負担は少なくてすみます。働けない状態になった場合でも、傷病手当金が出るので、ある程度はカバーできます。どうしても心配ならば、「都道府県民共済」で十分でしょう。あとで割戻金もあります。 さて、早いうちから老後資金の準備に取りかかるのはよいことですが、おばさんが提案する外貨建て保険はお勧めできません。運用の効率が悪く、手数料も高いからです。 老後資金の準備であれば、iDeCoのほうがダンゼン有利です。あるいは、結婚やほかのリスクの備えという意味では、NISAを活用するといいでしょう【図表】。 横川 由理 FPエージェンシー代表、CFP®、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)。お金の知識を広めることをライフワークとして、ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得講座、マネー講座、執筆などを中心に幅広く活動している。 著書に『老後にいくら必要か?』『50歳からの資産防衛術』(すべて宝島社)、『大切な人を亡くしたあとのお金のこと手続きのこと』(河出書房新社)、『保険 こう選ぶのが正解! 2024-2025年版』(実務教育出版)、『知らないだけで損をしている! インフレってなに?』(自由国民社)など多数。 長尾 義弘 ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。 著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』(すべて河出書房新社)、『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)、共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)など多数。
長尾 義弘,横川 由理