「バーニング・サン事件」の真実…英国ドキュメンタリーが暴露したさらに苦々しい現実
「V.Iは18カ月、チェ・ジョンフンは2年、警察総警は無罪。これでまともな国と言えるのか！」、「このドキュメンタリーが韓国ではなくBBCから出たことが悲劇だ」 BBCのドキュメンタリー「バーニング・サン：K-POPスターたちの秘密のチャットルームを暴露した女性たちの物語」が19日にユーチューブで公開され、話題を呼んでいる。V.I（ビッグバンの元メンバー）、チェ・ジョンフン（FTISLANDの元メンバー）、チョン・ジュニョン（歌手）などが参加していたカカオトークのグループチャットから始まり、クラブ「バーニング・サン」事件までを証言で振り返るもので、21日昼基準で再生回数340万回を越えており、2万1千件を上回るコメントがついた。 視聴者たちは主に憤りを露にした。性暴力、違法撮影物の流布、警察との癒着など事件の深刻性に比べ、加害者の量刑が軽すぎるという点だ。加害者たちはすでに出所して何事もなかったかのように暮らしているのに、ドキュメンタリーに登場した被害者の傷はまだ癒えていない。 この事件は2016年、チョン・ジュニョンが違法撮影物流布疑惑で告訴され、世の中に知られた。ドキュメンタリーによると、チョン・ジュニョンは警察への出頭前に携帯電話を私設のフォレンジック業者に預けており、チョン・ジュニョンの弁護士はこのフォレンジック業者と被害者に圧力をかけた。警察は捜査をうやむやに終わらせた。ところが、チョン・ジュニョンの携帯電話をフォレンジックしたコピーが存在しており、3年後に誰かがこのコピーをメディアに情報提供したことで、彼らの素顔が世の中に暴かれた。 ドキュメンタリーではカカオトークのグループチャットで共有された映像の一部が初めて公開された 映像でV.Iは苦しんでいる女性を怒鳴りつけながら引っ張っていくなど、女性を「おもちゃ」扱いした実体が明確に確認された。この事件を取材した「SBS」芸能ニュースのカン・ギョンユン記者は、ドキュメンタリーで「お金、権力、女性、セックス…芸能界で起きていることは韓国社会の縮小版のようだった。この分野（芸能界）で働けば働くほど、韓国社会の奥底の本来の姿が見えてくる」と語った。 V.Iらと癒着関係を結んだいわゆる「警察総長」が誰なのかを究明することを助けた人が、歌手の故ク・ハラ（KARAの元メンバー）氏である事実も公開された。人気K-POPグループのメンバーという名声が強大な権力になりうるという現実にも苦々しさを感じざるを得ない。この事件が当時、韓国でジェンダー問題に拡張された部分も取り上げられた。あるネットユーザーはコメントで「女性を救うために行動すれば、フェミ（フェミニスト）と呼ばれ魔女狩りのターゲットになる韓国の姿がよくあらわれている」という感想を残した。 V.Iらの拘束は事件の終わりではなかった。バーニング・サンの従業員たちは、江南（カンナム）のクラブは（事件以降も）何も変わっていないと証言する。当時、バーニング・サンで起きたことが他のクラブでそのまま起きているという。被害女性は「加害者も一生罪悪感を抱えて生きてほしい」と語った。ところが、その願いも叶いそうではない。1月、V.Iがカンボジアのある行事会場で再びビッグバンの名の掲げて多くの人を熱狂させる映像が公開された。チョン・ジュニョンは3月に満期出所した。この15年間で違法撮影を含む性犯罪は11倍も増加した。 ナム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
