「筋トレは呪い」 週8~9回で鍛える36歳がバキバキの腹筋を披露 ボディビルコンテストで3冠達成
17歳のときにスポーツ補強のために筋トレを開始した大戸亮二(おおと・りょうじ・/36)さんが、ボディビルに魅了されるようになったのはジムに置いてあった1冊の雑誌がきっかけだった。雑誌の中に映るドリアン・イエーツ(※)の身体を見て、衝撃を受けたのだという。※イギリスの元IFBBプロボディビルダー 【写真】大戸亮二さんのバキバキ腹筋
以降、トレーニングにのめり込むようになり、仕事で忙しい日々を送るも週に5日は筋トレを行っていた。27歳で初めて大会に出場した当時は「右も左も分からず、身体も甘くてボロボロだった」と話す大戸さん。そのときに他の出場選手から「中途半端な気持ちではいけない」と戒めを受け、選手としてのあり方を見直したそうだ。同時に仕事が多忙を極め、減量がままならないという背景もあって、しばらくステージから遠のいていた。 35歳を迎えた昨年から大会に復帰し、今年はJBBF中四国男子ボディビル選手権70kg以下級・オーバーオール・広島県男子ボディビル選手権で3冠を達成。現在は週8~9でトレーニングを行なっているという。 「一昨年までは週に1回狙った部位を鍛えるような分割法を採用していたんですが、15~6年トレーニングをしてきて、この程度の大きさにしかならないのか……と。強度は高い方だと思っていましたが、さらにもう一回り全身をデカくするために、週に2回、サイクルがまわってくるように組み直しました。特に弱点部位の胸と脚は週に3回まわるように組み、合計120セットしています」 胸&背中、肩&腕、脚と分けて、ほぼ毎日回していく。2時間~2時間半以内で筋トレを終わらせると決め、時間を大切にしているので1回のトレーニングに対する集中力が増すという。しかし決して軽い重量を扱っているわけではない。しっかりと重さを求め、筋肉を疲労させているからこそ一回り大きくなったのだ。 このようなハードなトレーニングを継続できるのは、やはり「好きだから、の一言に尽きる」と大戸さんは話す。しかし前回の重量や回数より落ちていたら「ムカつきますね(笑)。筋トレは大好きなんですけど、呪いと同じようなもん」だそうだ。 そんな日々のトレーニングで気をつけているのは、「胃の中に固形物が何も入っていない状態から始めること」。トレーニングの1時間前にコーヒー300mlを飲み、30分前にBCAAやアルギニン・シトルリン・クエン酸などのサプリを摂取。トレーニング中は水かお茶で水分を摂り、終わったら食事、というのが大戸さんのルーティンだ。 一昨年から変更したトレーニングサイクルで、一時期低迷していたサイズがアップしたことは大きな自信となるだろう。同じジムに在籍する江川裕二さん(2024年JBBFジャパンオープン優勝)に祝いのメッセージを送ったら「バトンは渡したから」と返信があり、一層身が引き締まったという。広島からさらなる王者が誕生するか。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。 ※タイトルに誤りがありましたので、修正しております(編集部)
文・撮影:小笠拡子