【思い出のオークス】桜花賞ハープスターを撃破!ヌーヴォレコルトに吹いた〝追い風〟/2014年
今週末、東京競馬場ではGⅠオークスが行われる。 この牝馬クラシック第2弾を、ちょうど10年前の2014年に制したのがヌーヴォレコルト(斎藤誠)だ。単勝は9・8倍。一見すると中穴?と思えるオッズだが、実は2番人気だった。 当時の1番人気はハープスター。戦前まで5戦4勝、2着1回。前年のGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズでハナ差2着に敗れたのが唯一の敗戦。GⅢチューリップ賞、GⅠ桜花賞と連勝して、ここに臨んできた。 圧倒的1番人気もうなずけるが、しかし、ヌーヴォレコルトを管理する斎藤誠調教師は白旗を掲げていなかった。 「実際、チューリップ賞と桜花賞でいずれもハープスターに負けていました。ただ、その差は詰まっていたし(チューリップ賞が2馬身半だったのに対し桜花賞はクビ+3/4馬身)、1600メートルから2400メートルになるのも、舞台が関東圏になるのもうちの馬には良いと考えていました」 さらに冷静に考えると、ハープスターだけではなく2歳女王レッドリヴェールも強敵だと思えた。レッドリヴェールはこの時点でハープスターに唯一土をつけていた馬。桜花賞は2着。3着だったヌーヴォレコルトに先着していた。「敵はハープスターばかりではない」と考えていた斎藤誠調教師に、朗報が届いた。 レッドリヴェールはオークスではなくダービーを目指すというのだ。 それを聞き「追い風だと思いました」と語る斎藤誠調教師の感覚は正しかった。ラスト1ハロンで先頭に躍り出たヌーヴォレコルトは、ハープスターの追撃を抑え、樫の女王に輝いたのだった。 果たして今年のオークスでは、どんな風が吹くだろう。楽しみにしたい。(平松さとし)
東スポ競馬編集部