よく食べこぼす、最近あまり食べ物の味がしない、滑舌が悪くなった…思い当たる人は「口だけ老人」になっている? 健康を損ねる可能性もある「口の老化」とは
グミを飲み込むまでの回数で分かる噛む力の衰え
好きなグミをひと粒口に入れて飲み込むまでに、何回噛んでいますか? いかがでしょうか?「20回ほどかな」という人もいれば、「いや、40回は噛んでいるよ」という人もいるでしょう。もしかしたら、10回ほど噛んだら、もう飲み込んでいる人もいるかもしれません。 グミのかたさにもよりますが、平均的には、ひと粒につき30回ほど噛んでいるとされています。 この数字から、もしあなたがグミひと粒につき30回より少ない回数で噛んで飲み込んでいれば、それは「あまり噛むことができていない」というひとつの目安になります。 自分が食べたり飲み込んだりする早さは、ふだんあまり意識しないものです。 そのため、自分ではなかなか気づきにくいのですが、グミをひと粒噛むのが30回以下の人は、ふだんの食事も十分に噛まないまま飲み込んでしまっているかもしれません。 そうして、知らないうちに体に負担をかけている可能性が高いといえます。 歩かなければ足腰の筋力が落ちてしまうのと同じです。 よく噛んでいないということは、あまり口の筋肉を動かしていないわけです。 それは、口の筋力が衰えてしまうことにつながります。 つまり、グミをひと粒30回よりも少なく噛んでいる人は、「噛む力が弱っている可能性が高い」といえるのです。 照山裕子 監修/來村昌紀 ---------- 照山裕子(てるやま ゆうこ) 歯学博士・東京医科歯科大学非常勤講師(顎義歯外来) 日本大学歯学部卒業、同大学院歯学研究科にて博士号取得。世界でも専門医が少ない『顎顔面補綴』を専攻し、口腔がんの患者と歩んだ臨床体験から予防医学の重要性を提唱する。 「日本人の口腔ケアへの意識を変えるにはどうしたらいいのか?」という課題の答えのひとつとして考案した内容を『歯科医が考案 毒出しうがい』(アスコム)として書籍化。13万部のベストセラーとなった。現在は大学病院及び全国の歯科クリニックにて診療を続ける傍ら、テレビ・ラジオなどのメディアにも多数出演。『日経xwoman』のオフィシャルアンバサダーも務める。『新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)など、著作多数。 ---------- ---------- 來村昌紀(らいむら まさき) らいむらクリニック院長・千葉大学臨床教授・医薬学博士・日本脳神経外科学会脳神経外科専門医 和歌山県出身、和歌山県立医科大学、千葉大学大学院卒業。和歌山県立医科大学附属病院などで、経験を積み、2014年にらいむらクリニック開設。著書に『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(あかし出版)などがある。 ----------