「みんなドジャースの名前ばかり言っているよね?」気になる佐々木朗希の移籍先…元ドジャース選手が挙げた“意外なチーム名”「ロウキが成長できる」
佐々木朗希におすすめ“意外なチーム”
ヒルにとって、ドジャースは20年間のメジャーのキャリアの中でも長く所属したチームの1つだ。2016年途中から2019年までのことで、その間は前田健太とチームメートだった。FAで退団した翌2020年に1年契約でツインズに移籍した直後には、ちょうど前田もトレードでツインズに移り再びチームメートとなったのだが、ツインズの球団フロントに前田を推薦したのはヒルだったという。ドジャースには長く所属したものの、素晴らしい球団は他にもたくさんあるというのがヒルの考えだ。 「メジャーはどの球団もリソースを十分備えているし、ロウキがもし入団したら彼のためにしっかりした育成とサポートのプログラムを整えると思う。ドジャースもそうだけど、他のチームもね」 他のチームとは、例えば……。 「ロイヤルズとか。若い選手が成長できるチームだし、のびのびやれるチームだ」 意外な球団名が出てきた。だが確かにロイヤルズは若手が育ち、今季は生え抜きのボビー・ウィットJr.内野手がMVP選出で2位の票を得るほどの活躍をし、9年ぶりのポストシーズン進出を果たした。2015年には球団史上2度目のワールドシリーズ制覇も達成している。 「どこに入るかはわからないが、どのチームであっても心配ないと思う。彼はアメリカでもすでにスター級の知名度がある。どこに行ってもチームメートに温かく迎え入れられるだろう。メジャーは世界中から選手が集まるリーグだから、違和感なく溶け込めると思う」 ではチーム選びをする上でのアドバイスは何だろう。 「投手はケガが多いし、ケガまでいかなくても常に張りや痛みとつき合っていく仕事だ。年齢と経験を重ねていくうちに自分の体のケアはよくわかってくると思うけど、最初は球団のメディカルスタッフ、体の管理体制がどうなっているかを確認することは必要かなと思うね」
日本野球をどう見たか?
ところでヒルは、20年間13球団でプレーした中で前田も含め実に12人もの日本人選手とチームメートになっている。2008年にはカブスで福留孝介、2009年にはオリオールズで上原浩治、2010年から2012年までの間にはレッドソックスで松坂大輔と岡島秀樹と田澤純一、2014年にはヤンキースでイチローと黒田博樹と田中将大、2015年には再び上原、田澤と一緒になり、2021年にはレイズで筒香嘉智、2022年には再びレッドソックスで今度は澤村拓一、2023年にはパドレスでダルビッシュ有、そして今季はまたレッドソックスで吉田正尚と一緒だった。メジャーでこれほど多くの日本人選手と一緒にプレーした選手は他にいない。そんなヒルにとって、日本人選手、そしてプレミア12で対戦した侍ジャパンはどう映ったのか。 「日本の選手たちの戦いは素晴らしかった。基本的なプレーがとても細かい部分まで徹底して身についているように見えたし、どの打者もバットに当てる技術が優れ打球をインプレーにするという大事なことをしっかりできている。投手はただストライクを投げられるというだけでなく、質の高いストライクを投げることができる。どの球種でもストライクゾーンを攻めることができ、ストライクが取れる。メジャーでもそれができるのは、本当に優秀な投手だけだよ。 日本の投手に関してもう1つ印象深かったのは、自分のテンポを調整しながら試合をコントロールし、ペースを作っていく能力が高いこと。先発投手みんなそうだったし、リリーフ投手もそうだった。試合のテンポを作り試合の進行をコントロールしていた」
「日本でプレーも考えるよ」
侍ジャパンとの試合の、球場内の盛り上がりにも目を見張ったという。 「あの鳴り物の入った応援は初めての体験だったからね。独特の雰囲気で面白かった。今回の大会では家族も一緒に日本に来て、楽しんでいたよ。僕も日本が気に入ったし、今後もしチャンスがあれば日本でプレーすることも考えるつもりだ。幸運にも多くの日本人スターとチームメートになり、親近感がある。すぐに溶け込めると思うよ」 44歳になってもまだ現役にこだわり続ける最年長メジャーリーガーは、そう言って笑顔で去っていった。
(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)
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